るすのたたみをおろそかにすればさびさきにわざわいあり/留守の畳を疎かにすれば旅先に禍あり
〜 吾が畳をゆめゆめ過つ ことなかれ、やがて再び無事に立帰るべきにと、戒めたるなり。〜 [萬葉]るすをつかう/留守をつかう
〜 老らくの来んと知りせば門さして、なしと答えて逢はざらましを。〜 [古今集] 、居留守のこと。るにんのふせがさ/流人の伏笠
前さがりに面を見せぬように被るを伏笠という。刑に觸れたる者は身を恥じむべしの意。るりはもろし/瑠璃は脆し
好き物の破れ易きをいう。「瑠璃も曇る」れ
大工の符牒。五のこと。れいろう/櫺瓏
「れんじまど」に同じ。れいによってれいのごとし/例によって例の如し
何のかわりもなきこと。明治語。れきせい/瀝青
「ちゃん」。れんが/煉瓦
「煉化石」ともいう。 台湾では円形の煉瓦は家庭円満、六角形の煉瓦は亀甲形と称して不老長寿、八角形の煉瓦は八吉と称して八方大吉、銭形のものは富裕の形として尊ぶ。れんがべい/煉瓦塀
煉瓦にて築き上げた塀。れんぎ/擂木
スリコギ。れんぎがとりになる/擂木が鳥になる
有り得べからざること。「山の芋が鰻になる」と同意。れんぎでもんはく/擂木で門掃く
「槌で門掃く」の類。れんぎではらきる/擂木で腹切る
成し得べからざること。又は作法を心得ぬことをいう。れんぎのみねうち/擂木の峰打ち
鈍刀などの人を斬り得ざるに喩う。れんそうまど/連雙窓
二つ続きの窓。れんじ/連子
窓に竪に並べて取付けたる木又は竹の全体をいう。れんじこ/連子子
格子窓の子のこと。れんじまど/連子窓・櫺子窓
細い角材を縦または横に並べた格子窓。そのうち、竹の詰打ち窓のことは有楽窓(うらくまど)れんてつ/錬鐵
「鍛鐵」又は「塾鐵」とも称す。ろ
数に対して使われていた(る?)という大工の符牒ほんろつそれたよやまきのろ。二のこと。ろ/爐
火を置き湯を沸かすなどするもの。ろーす/Roast
牛・豚・馬などの背の両部の深紅色の上等なる肉にしてサラヱンロースという。 之を三等分して尻に近き方を一番、中部を二番、肩に近き方を三番とし肉中最上の好肉とす。ろいろ/蝋色
黒漆にて塗り研ぎあげたもの。ろうもん/楼門
二階建の門のうち一階にも屋根を設けたものを二重門と呼び、一階には屋根を設けずに二階に高欄をつけた縁を巡らす楼造の門のこと。寺院や神社の表門として用いられた。ろうづくり/楼造
重層の建物でも下層に屋根を付けない法隆寺経蔵のような建物のこと。ろく/陸
水平なこと。不陸=ふりく=水平でないこと。「りく」ともいう。
ろくしがけ/六枝掛け
鎌倉後期に成立した木割法で、三つ斗組において左右の巻斗の外寸法間を、 六本の垂木間の距離に一本の垂木の幅を加えたものに等しくする方法のこと。ろくせりもち/陸迫持
平らな迫持。ろくだに/陸谷
勾配の緩やかな谷のこと。二棟の間の狭い部分をつなぐときに生じる谷のこと。ろくちゅう/陸柱
平面が正六角形で寄棟造りになる建物のこと。平面が六角形の仏堂は六角堂という。ろくどい/陸樋
勾配の極めて緩やかな谷樋のこと。ろくどうぼく/六道木
明治神宮外苑に植栽の記念木「和名=ヒトツバタゴ」の別名。 幕末の頃、この木を公開して、その名前から六道辻という名称ができた。 現在の六道木は六道辻から400メートル移動したところに植えられた二代目。 俗名を「なんじゃもんじゃの木」。ろくばり/陸梁
(りくばり)水平な梁。陸墨を打って束均しをする。ろくびさし/陸庇
勾配の極めて緩やかな庇のこと。ろくびゃくめくぎ/六百目釘
古形の釘で長さ四寸五分百本の目方、三百九十目程。ろくぽんさんずん/六本三寸
松七寸角十六割にして長さ、九尺及二間の二種あり、實寸は一寸五分・一寸二分。「大三寸」「松一寸七分角」「五分八」などの別名もあり、安普請の根太・垂木などに用いるもの。