は
刄様な木端を刄形にしたもの。ばい/唄
饅頭の形をした錺金具。木製の場合もある。ばいげつそうし/梅月想思
梅と月をあしらった場合の嘉祥雅言。はいた/羽板
鎧板、錣板、がらり板などの別名がある。幾枚も相離して斜めに取り付けた板をいう。目的は空気の流通を良くする。もしくは日光の直射及び雨を遮る。
ぱいすけ
縄を編んで逆さの富士山形に作った容器。砂利、砂などを量るときに用いるもの。はいずみ/掃墨
はいつける/配付る
木を他の木の横面に斜めに取付けること。はいとめいし/灰留石
火爐の下にある石。はいつけだるき/配付垂木
隅木に取り付ける垂木。隅合掌に取り付ける配付合掌。はいのび/配延
勾配の延びのこと。はいでん/拝殿
神社建築における祭祀の場。拝殿は相の間や石間で厳然と本殿とは区画される。 寺院建築における金堂と礼堂の関係から、礼堂に影響され整備されたといわれる。はえがしら/蠅頭
いぼゆい。はえがしらほぞ/蠅頭ほぞ
胴附きが図の様に斜めになるほぞ。はうち/羽打
羽打張りの略はうちばり/羽打張
羽目板張方の一種にして板を図の様に斜めにして張り付けたものをいう。屋台に屋根板を張るときに使用している板と板の接合方法で、「羽にする(はにする)」と言っています。 これが板でなく、タルキとタルキになると、釘打ちすることになるから「そぎつぎ/殺継」という名前の接合方法になるのであろうと。
ばか/馬鹿
下振の俗語。はがかり/羽掛
板などの重なり合う部分。はがさね/羽重
板の端を重ね合わせる張り方。はかまごし/袴腰
四邊形の一種にしてその上邊は下邊に平行でやや短い。従って左右雨邊は相向い斜めになるもの。はがらもの/端柄物
板、小割、貫類の繩稱。山挽物に同じ。はかりひじき/秤肘木
斗の上にある一本の肘木をいい、その両端に巻斗をうけ恰も天秤のように見える。はぎき/矧木
繰形などの一部を添え足した木。はきざみ/羽刻
下見において定規柱または簓子を下見坂の羽重ねの凸凹に應して刻むこと。土蔵において小舞竹をとりつけるために柱を刻むことには別につた掛刻の名稱がある。はきだしぐち/掃出口
掃出窓に同じ。はきだしまど/掃出窓
掃除のときの塵埃を掃出すために設けた窓。ばく/獏
(彫刻)江戸時代には「夢違えの獏」と称して枕の下に絵を敷いて寝る習慣があったらしい。 霊獣である獏は平和の時代にのみ生息できる動物、すなわち軍縮の象徴であるという。 特徴は「熊に似て、頭は小さく、鼻は象に、目は犀に、尾は牛に、脚は虎に似る」 とされるが、木鼻の彫刻では頭部だけを表現するので、同じく鼻が長く牙を持つ 象と混同されやすい。象とは目と眉とヘアの形に明らかな相違がある。獏の目は そら豆型で丸くて大きく刺状の眉があり多毛で襟足がカールしている。象は切れ 長か三日月型の目を持ち眉ははっきりしない。組み合わせはほとんどが雲。ばくちくばしら/爆竹柱
さぎちょうばしらばくちょう/白鳥
白色の首の長き一升または二升入りの徳利のこと。ばくはゆめをくう/獏は夢を食う
明治の俗説。はくらくてん/白楽天
左は小池佐太郎の毛筆画習作。 手本にしたと思われる絵は 国立国会図書館デジタルコレクション『萬物雛形画譜』 の 4 に収載されています。はくらくてん/白楽天
page211 引用 〜 白楽天 名は居易、楽天は其の字である。支那中唐時代の大詩人、 生涯を詩を似って終え 其の数三千八百に上るという。其の集 現存の白氏文集は 凡て七十一巻、独り 支那のみならず中世我が国に渡来してより 平安朝詩文の 範となり 或は和歌和文に引用せされ、或は朗詠せられる等 我が文学に多大の 影響を及ぼした。長恨歌は嘗て彼が仙遊寺に遊んだ時の詩で、琵琶行と共に、支那詩篇中稀に見る 長編物、白楽天の詩名を高からしめたものである。支那朝鮮を経て古く日本に 伝来し、平安朝並に鎌倉文学に大きな影響を及ぼした。 〜 引用おわり
(三元堂編輯部編 女子高等国文英華覚書 国立国会図書館デジタルコレクション)
はけづり/羽削り
板を刃形に削ること。はごいたかなもの/羽子板金物
はこかなぐ/箱金具
コの字形に包み込む装飾を兼た金具または装飾としての金具。巻き金具ともいう。はこじょう/箱錠
矩形の普通の錠。はこだいわ/箱台輪
お神輿において最下部、担ぎ棒を挿入するための棒穴が空けられた箱を伏せた形状のもの。はこつか/箱束
店の蔀梁の後方に閂の上ににある束をいう。東京の店においては晝間揚戸を上方に仕舞い置き夜間は之を卸して閉鎖するを要す故に左右の戸の間に取り外し自在なる竪溝付の柱を必要とする。その柱を閂という。箱束はその上にある。はこつぎ/箱継
上下の垂木を継ぐ方法で、一方を┗┛状に作り、一方をほぞにして挿入して込栓で留める。はことい/箱樋
横断面が矩形になる樋。はこひきて/箱引手
土藏裏白戸などのコの字形の引手。はこめちがい/箱目違
継手の部分に曲折又は三方を目違いとしたもの。はこわく/箱枠
揚げ卸し窓の箱型の枠。はこかなもの/箱金物
U字形の金物。はこむね/箱棟
箱に組んだ大棟をいう。はっかくおとしのかど/八角落の角
ばつしゃらふたらそんじゃ/伐闍羅弗多羅尊者
左は小池佐太郎の毛筆画習作。 手本にしたと思われる絵は 国立国会図書館デジタルコレクション『萬物雛形画譜』 の 1 に収載されています。はっそうかなもの/八双金物
一端は二股にわかれている金物にして、門扉又は板唐戸などの横に取付ける金物。はさみばり/挟梁
小屋束などを挟んで繋ぎとめる木。はさみかせ/挟械
掘立柱の根を固めるためその左右に取付ける根械。はさみしきい/挟敷居
はしがかり/橋掛
能舞台と鏡の間との間にある斜めの廊下。はしかくし/階隠
古語。廂へ登るべき階の上へ張出した庇をいう。はしかくしのま/階隠之間
古語。神殿造において廂の中央部をいう。即ち階段を上った所。日隠の間ともいう。はしご/梯子
足の掛る横木を踏子という。猿梯子、段梯子の類あり。はしにこうりょう/箸に虹梁
不釣り合いの喩。はしばめ/端嵌
「はしばみ」に同じ。はしばみ/端喰
木口を隠すため、または矧合わせた板の離れることを防ぐため木口に取付けた狭い木。はじとみ/半蔀
せい低き蔀。揚簀戸(あげすど)。はしら/柱
鉛直に立って上部の構造を支える構造体。奉られる神様や人を数えるとき一柱(ひとはしら)、 二柱(ふたはしら)でいい表す。(語源は言海に載っているらしいです)ちなみに仏様は尊(そん)と数えます。はしらいし/柱石
柱下の石をいう。尚束下の石を束石と稱す。はしらかた/柱形
片蓋に同じ。はしらくち/柱口
柱口石の略。はしらづえ/柱杖
大工の尺杖間竿ともいう。はしらのめんとり/柱の面取り
屋台は方柱(角柱のこと)であることが多く、柱の角の損傷を防ぐためと美観的な理由から必ず面を取ります(その角を削ること)。写真右は「銀杏面(ぎんなんめん)」といわれる面加工を施した柱の断面部分です。 (銀杏面鉋による手仕上げではなく、二分の銀杏面ビットを取りつけたルーターを使用)銀杏面は、唐戸の框などに用いられ、同じく丸面の部分を持つ「唐戸面(からどめん)」と著しく形状が似ています。その違いは、際(きわ)の部分が丸面の部分に対してわずかか、わずかでないことによって区別します。際がわずかであれば銀杏面ということになりますが、たとえ際がわずかでなくても、それが柱であっても、唐戸面と呼ぶ場合がないわけではありません。
「こぐ」とはおそらく地方の方言で「欠ける」「へこむ」の意味。屋台の柱は縁板を境に横断面積が異なっています(写真左)。柱の上部を「こぐ」ことで美観や安定感が増し、見る人に洗練された印象を与えます。
はしらはひのき/柱は檜
〜 人は武士、柱は檜、魚は鯛、小袖は紅、梅花は三吉野 〜はしらぶのしくち/柱上部の仕口
通称皿斗を載せたところはしらぶみ/柱踏
中途にある柱を支承する梁。はしらま/柱間
柱と柱の中心距離。はしらとこうりょうのしくち/柱と虹梁の仕口
上の写真: 蟻を非対称に刳ることで柱に負担をかけないような工夫をしています。下の写真: 蟻になっていないかわりに虹梁の前後左右をボルトで固めていました。 (修理のために解体した他の大工さんが製作した屋台の柱)
はしらぬき/柱貫
頭貫と同義に用いる人もある。はしらよせ/柱寄
古語。ほうだてに同じ。はしらわり/柱割
柱の大きさを定めること。はしりくぎ/走釘
床の間の軸釣り釘の左右に動くもの。はしろう/橋廊
橋形に作った廊下。はす/蓮
page70 引用 〜 蓮とかいて「はす」といっているが、ほんとうは「はちす」だそうな。右同書 (白井光太郎博士の『植物渡来考』のことを指していると思われる)に「亜細亜温帯地方に 自生す・・・・・・普通の蓮は満州辺りにもありと言えば渡来の年代群ならず、古事記に 雄略天皇の御製に答えたる赤猪子の歌に蓮歌の事見ゆ・・・・・・」とあるのでみると、 随分古くきたものらしい。何しろ建築の細部には飛鳥時代から用いられているし、絵画・ 彫刻も亦然りで、天寿曼荼羅帳にも法隆寺金堂天蓋にも、乃至仏光背にも、どこにも ここにもある。それ以降各時代にある。その蓮が生えているのは古代建築の支輪板、蟇股内 又は後世桟唐戸板の彫刻、軒瓦の文様等は少しも珍しくはないが、手鋏の側面等に用いられたのは、 これ等は古いほうであろう。蓮は巻いたのも開いたのもあるし、花も蕾もあるが、桃山になると、もっと発達して込み入って くるし、又精巧な透彫もできたのである(奈良市・法華寺本堂向拝手挟、大津市・園城寺金堂向拝 手挟)。これ等がもう一層進歩すると菊や牡丹の透彫・籠彫等と同様で、彫刻としては 美しいが手挟としてはその本来の意義を失ったので、堕落の第一歩を踏み出したという べきである。 〜 引用おわり。
(天沼俊一著 成虫樓随筆 国立国会図書館デジタルコレクション)
はすづか/斜束
方杖に同じ。枝束ともいう。はすぼくとう/蓮木刀
「独活の大木、蓮木刀」ともいう。はだかひゃっかん/裸百貫
男子は無一文でも百貫文の価値ありとの意。「裸百貫褌一貫」はちぎ/八木
「さるみみ」に同じ。はちさいくしちびんぼう/八細工七貧乏
多芸の人にして貧乏するをいう。七貧乏の七は七面倒の類なり。はちせんにん/八僊人
左は小池佐太郎の毛筆画習作。 手本にしたと思われる絵は 国立国会図書館デジタルコレクション『萬物雛形画譜』 の 3 に収載されています。ばちづか/ばち束
鎌倉時代以後に見られる。下のほうが広くばち形になにった束。はちまえ/鉢前
雪隠脇の手洗い鉢を置ける庭。はちまき/鉢巻
土蔵もしくは箱棟などの軒下にある平壁より突出した細長い平面をいう。ある平面から突き出して横に巻くもの。
はちまきぬき/鉢巻貫
土蔵の軒桁に取付けてある貫で鉢巻の塗下となるもの。はちぼく/八木
米のこと。はちまん/八幡
祭神は応神天皇。農耕の神であったが仏教を守護する神、大菩薩と呼ばれる。 「南無八幡大菩薩」とは神に誓ってという意味。はちまんつくり/八幡造
神社の造り方の一種で、切妻造・平入りの建物が前後に二棟並ぶ形。後ろの建物を内殿、前の建物を外殿と呼ぶ。ばっさい/伐採
木材には干割れが生じるが、樹種の違いよりも伐採の時期による理由が大きいという。 つまり樹木が地中の水分を多く吸い上げる時期に伐採したものは干割れが多く表出し 割れ目が大きくなる。逆に乾燥・渇水期である11月〜2月にかけての寒期に伐採した材 は干割れが小さい。はっぴ/法被
祭りの衣装。揃うことによる美の意識が生じ、祭りの雰囲気を盛り上げる。 帰属意識が生じるにとにより、共同体相互に競いの意識が成立する。はつでんき/発電機
防音型はちまんづくり/八幡造り
宇佐神宮(宇佐八幡宮)、本殿を典型とするのでこの名がある。切妻造り、平入りの前殿と後殿を前後につなげ、その間にできた屋根の谷に樋を通すが、樋の下は相の間となの、前殿と一体化されている。→ぎおんづくり/祇園造りはちよう/八葉
八つの葉の集まって成る飾り。はつものをくえばななじゅうごにちながいきする/初物を食えば七十五日長生きする
俗説。芭蕉、〜 初花に命七十五年ほど。〜はとむね/鳩胸
筆返しの膨らみが鳩の胸のような形をしている部分。はとのつえ/鳩の杖
鳩の形に把手につけたる杖。はとのめ/鳩の目
賽銭に用いるために作りし鉛銭をいう。はな/鼻
端の意味。すべて鼻の出る鼻をいう。
はないし/花石
はなかくし/鼻隠
軒先の垂木の木の先を端を隠す木。はながた/花形
花の模様。「花文」とも書く。はながらみ/鼻絡
「鼻緘」とも書く。鼻隠しと同じ。また板屋根において軒下に打付けて屋根板の鼻を連ねる貫もいう。
はなくみこ/花組子
「花子」ともいう。花欄間にある模様付の組子。はなぐり/鼻繰
挿肘木や尾垂木の鼻に施されたグリグリした彫刻のこと。(大仏様繰型の初期のものは単純な弧線やS曲線から成り立ったが、鎌倉時代になるとそれらの曲線があたかも象の鼻に似た輪郭を帯びてきて象鼻と呼ばれた。それが室町時代末期から桃山時代にかけて完全に象に具現化され、さらに獅子や龍、獅子と牡丹の取り合わせ、獏などが刻み込まれたという。大仏様についで導入された禅宗様は植物系の装飾が多く、大仏様木鼻に対して禅宗様木鼻と呼ばれる。禅宗様は初期に於いても単純ではなく縞(しのぎ)とよばれる中央が高く山形になった形状に渦紋(かもん)が彫られていた。この形式もしだいに植物や雲などが 現れ、植物も若葉のほかに楓・栗・桃・梶の葉が見られるようなり、しかみ彫りや中心 部を空洞に透かした籠彫(かごぼり)と呼ばれるものまで現れたという)はなぐれ/鼻榑
木材の切れ端。俗に「鼻切」という。はなぐろ/鼻黒
小面の黒き煉瓦。はなこ/花子
花組子。はなさま/花狹間
花形模様付の格狹間。はなしかみ/鼻顰
木鼻を顰彫りしたもの。はなしょうぶ/花菖蒲
page74 引用 〜 花菖蒲は最初は鎌倉末に建築彫刻に採用され、室町に入りて進歩して 絵画的となり、桃山になって相当に賞用され、江戸に於いても同様であったと 考えられるのである。 〜 引用おわり(天沼俊一著 成虫樓随筆 国立国会図書館デジタルコレクション)
はなせん/鼻栓
樫の木で作られます
はなちで/放出
「はなちいで」ともいう。本家より突出した部分の雅語。はなのおう/花の王
支那で牡丹をいい、日本にて桜をいう。「花の君子」は蓮の異名、「花の弟」は菊。はなのした/鼻の下
口のこと。「鼻の下の九一郎」はなのしたがながければいのちながし/鼻の下が長ければ命長し
俗説。はなぬり/花塗
花塗漆は褐黒色にして建具、家具等を塗るに用いる。漆器の上塗り技法の一つ。はなまし/鼻
鳥居の笠木、高欄の架木等の端を他の部分より成を揩キときにいう。鼻母屋/
軒に最も近い母屋即ち端母屋。はならんま/花欄間
花形模様付の欄間。はねぎ/桔木([木告]木へんに告と書く場合もあり)
軒の出の多い場合、軒の垂れを防ぐ木。土居桁を支点として茅負を はね上げるように納める木のこと。 一端は小屋束などに取り付け、中央部は横材の上に支えられ、他端に於いて軒先を支承する。黄色で囲った部材。
桔木が天秤の状態で軒を支えています。
桔木に平行して隣接している部材は中梁。中梁から束を介して桔木に直交している部材は化粧棟木、その上は野棟木。
桔木という漢字については、跳木や拮木のように表記されている場合もあります。
はねぎのまくら/桔木の枕
桔木の中ほどを支承する木。概して出梁の上に取付けられる。はねこうらん/刎高欄
刎高欄も組高欄の一種でありますが、 隅で張り出した部分が水平ならば → 組高欄。 隅で張り出した部分が反っていれば → 刎高欄はねだし/刎出
足場板などの端の支えのない部分。はねぶた/刎葢
天井などの葢で開くときに上に刎ね揚げられるもの。はばき/巾木
壁の床に接する所に用いる板のこと。はへぎ/延木
たるきと同様。はまえん/濱縁
神社の向拝の木段端下の縁のこと。濱床はままつしのやたい/浜松市の屋台
平成16年5月3日〜5日、遠鉄百貨店北側のギャラリーモールに於いて浜松市と浜松まつり本部の主催による浜松市御殿屋台の展示と、ミス浜松まつり紹介・各町おはやし・子ども太鼓・歌謡ショウなどのアトラクションが行われました。はままつしょうか/濱松唱歌・浜松唱歌
『市中案内 濱松唱歌』[無何有道人著/静岡縣濱松市連尺町 谷島屋書店発行]〜
日本國の最中なる
東海道に名は得れど
横に車が二挺たゝぬ
廣くて狭い濱松と
我が濱松の繁盛を
天下の人は謡ひつゝ
三百年の昔より
傅えし来りて忘れぬを
今又こゝに繰返し
謡はにやならぬ世となりて
今年明治の四十四年
市制をしかれた目出たさよ
市内に引ける瓦斯燈と
縣る電氣の燈は
空を焦がしかゞやきて
大路小路の隈もなく
まばゆき迄に照りわたり
晝にまさりて明らかに
夜なき城と嘗て聞く
名を其のまゝに賑へる
連尺通りそゞろげば
百貨をひらく店多く
連なる品は文明の
書籍雑誌や文房具
畫端書店はいふもさら
露天の前の人山も
豊に見ゆる豊國の
銀行先は傅馬町
此處に大なる建物を
何よと見れば警察署
町の安寧保つには
此署の力頼むなり
要地を占めし若松座
場内廣く美しく
開場度數もしげれゝば
属々替る旅役者
泊めて見習ふ旅籠町
其の風俗も自から
なまめく様に流れつゝ
心たゆたに成子町
心の駒を締めざらば
末は難儀を菅原や
坂に車を推し行けば
冬も汗水流すらむ
【 まるで鉄道唱歌のように延々と続く歌詞であるため 中略 22ページ 】
思えば昔曳馬野の
萩の香は畏くも
時の帝の御供の
衣香はすこともあり
衣香はす萩の香と
凋むを知らぬ松が枝は
幾十回もこきませて
我が濱松の飾りたれ (終)
〜
往時の活気や賑やかさが目に浮かんできます。 市制百周年の記念にダークダックスに唄ってもらいたいところです。 なお「浜松唱歌」は、近代デジタルライブラリー のトップページから検索することができます。ちなみに「浜松市街明細地図」も興味深い資料でした。
はままつまつり ごてんやたいのず/浜松まつり 御殿屋台乃図
浜松まつりで使われている通称二層屋台のうちのひとつです。上図の屋台は、柱の芯々間が5尺8寸、鬼板上端までの高さは5メートルです。実物は新幹線高架下を潜り抜けるために火灯唐破風等を切り詰め4.8メートルで製作しました。屋根に銅板を葺いているなどの理由で著しく費用が嵩むものの、修理や漆塗りのための組みバラシができます。
小池工務店ではこの形式の屋台を「軒搦二重屋根唐破風入母屋造屋台」と呼称しています。
はめ/羽目
壁のところを総板張りとすること。はり/梁
すべてに荷を受ける横木。柱頭の位置にある桁をのぞく水平材で、屋根の架構を支えるもの。元来は棟に直角の方向(側面)、いわゆる梁間方向にしか梁は入っていなかった。はばたにんそく/巾太人足
物を擔く人足。はばき/巾木
間内壁の最下部にあり、床に接する化粧板。はふ/破風
破風板のこと。 古くは博風、薄風などとも。屋根の妻側の三角形のところへ山形に取り付けられた板。 起源は神明造りなどの妻側の垂木の一部、つまり屋根面より突き出た部分が千木となり 下の部分が破風となった。破風板の流れの線が下へ反っているものが照り破風(てりはふ)、その反対が起り破風(むくりはふ)、左右の端部が照り中央部が起っている照り起り破風を唐破風という。江戸時代には種類の違う破風を組み合わせて華麗に構成した社殿が好まれた。はふいた/破風板
即ち破風。はぶさがき/葉房垣
たけほがきに同じはふかざりかなぐ/破風飾金具
破風板につけられる装飾を目的とした金具。飾り金物は、飾り職人(錺師)が取り付ける部材を型取りしてから製作します。デザインは唐草系の植物文様が多いです。はまぐりがた/蛤形
獨逸式の石板葺方に用いる石板の形で図はその二種を示す。はまづた/濱づた
「はますさ」ともいう。網引または船などの古綱を切り解いて作るつたをいう。はまや/破魔矢
棟上式はまえん/濱椽
神社などの向拝の階段下の床をいう。はまゆか/濱床
破魔弓/
棟上式はますさ/濱すさ
濱つたと同じはますな/浜砂
河砂より上質だが塩分を含む。はら/腹
丸梁の両脇。 反り梁、または反り木の凹の方を腹という。凸方は背。はめ/羽目
壁の板張なるもの。したみとは異なる。はめいた/羽目板
羽目張の板。はめごろし/嵌殺
障子等を開閉できるように取り付けてあること。はめこみじょう/嵌込錠
戸の堅框の側面を彫り明けて嵌込みを取付けた錠。はやし/林
語源は「生やす」「映す」、定かではない。「ハラ」と読ませたり「ハヤ」と読むこともある。 神社を指す場合もあるが、通常は木の生じている場所のこと。森より古く現れた文字。はやるいなりはとりいからしれる/流行る稲荷は鳥居から知れる
「貴い寺は門から」や「流行る芝居は外題から」に同じ。はらおこし/腹起
山留柵の横面に取付ける木で、杭の彎曲を防ぐもの。はりいたてんじょう/張板天井
板張りの天井。はりぎ/張木
根切脇の土の崩れ落ちるを防ぎ、その繋ぎとなるもの。はりつけてんじょう/貼付天井
紙貼の天井。はりつけど/貼付戸
片面紙張りの戸。扮板張りの戸。はりつけわく/貼付枠
壁を紙貼にするために木を組んだ下地。はりばさみ/梁挟
小屋の梁間の桁行に架渡す繋梁のこと。はりま/梁間
梁と梁の間をいう。はりまかせ/梁間械
根械は地中にあり、掘立柱の下を固める為の木で、二本以上の柱を連結する根械を通械といい、それに直角になるのを梁間械という。ばりわく/尿枠
尿壺の蓋を受ける枠。はるいちばん/春一番
立春を過ぎてから最初に吹く強い南風。はんかやおい/半茅負
茅負を半分にて使用するもの。はんしげたるき/半繁垂木
垂木の空き(間隔)が、垂木の成(高さ)と垂木の下端の巾の和ぐらいのもの。→繁垂木はんしげわり/半繁割
垂木割りの一種。はんじょうだい/半畳台
能で用いる所作台。ばら/薔薇
(彫刻)開花の時期が長いことから四季咲牡丹・長春花などと呼ばれ、のどかで平穏な 世界、平和と安定を象徴しているという。はんあかりしょうじ/半明障子
高さ三四尺程の明障子。はんあしがため/半足固め
普通よりは割合に幅の狭い脚固め。はんえんせりもち/半円圓迫持
半圓形の迫持。はんくもひじき/半雲肘木/半方斗/半挿し肘木
はんだいと/半大斗
@挿し肘木(さしひじき) A方斗(ほうと) 肘木を十文字に受ける B巻斗(まきと) 肘木を一方向に受ける C通肘木(とおりひじき・とおしひじき)斗きょうを連絡←名称 不確かです D枠肘木(わくひじき)十文字に組み合わされた肘木←秤肘木かも…名称 不確かです E拳鼻(こぶしばな)ばか/馬鹿
立木を見る下げ振り。はん/榛
どこにでもある落葉樹。淡赤色のやや堅い中等材で、板や木炭、小器具に用いる。 大きなものは周り凡そ5尺、高さ5丈になる。「榛の木の日蔭田寒き落穂かな」(今 影彦)