つ
大工の符牒。三のこと。ついたて/衝立
欅の突き板合板を裏表に張り合わせて住宅用の欄間彫刻を流用した衝立です。特注彫刻と無垢板でも作ることができます。
突き板合板=化粧単板貼りベニヤは、切削方法によって異なる表情を見せます。
スライサー杢といって、巨大なナイフで材を平行に切削する場合のもの(無垢板に近い表情)と、
ロータリー杢といって、巨大なロータリーレースで原木をかつら剥ぎ(大根のかつら剥きと同じ)にしたものがあります。
写真の突き板合板は、材の円周に沿った木目が得られているので、ロータリー杢です。
屋台の腰板にも突板合板が使用されることがあります。無垢板のように反ったり縮んだりせず、狂わないという 利点があります。木目によっては合板であることがわかってしまう場合があるほか、これに漆塗りを施そうとするときに 問題がないわけでもありません。
ついじ/築地
木骨土造の塀をいう。築地には凡一間まに柱あり須柱というその妻にあるものを貝型柱といい柱まにある横線を定規筋と称す。ついじべい/築地塀
木(竹)骨土造の塀をいう。土と瓦片などを混ぜ合わせ塗りたてる土壁の一種で、社寺、宮室、豪族邸などに見ること ができ、その住人の資格でもって塀の筋を替えた。ついじめんど/築地面戸
瓦棟において熨斗瓦の間をいう。つえつきののじ/杖つきのの字
乃字をいう。つえにすがるともひとにつがるな/杖に縋るとも人に縋るな
妄に他人に依頼すべからず。(妄=みだり)つえにもはしらにも/杖にも柱にも
唯一の頼みとする意。つか/束
短い柱の意味。梁や桁などを支える。つが/栂
西京においては「とが」という。その材は柱、土台、等に用いることがある。つかいし/束石
縁束や床束などの下に据えてある石。自然石または切石を使う。つかばしら/束柱
束と同じ。つかみ/掴
破風板の拝みの部分を固めるために用いる木。つきあげど/突揚戸
上方に蝶番又は壺金ありて閉鎖すれば垂直となり開くときは方杖をもってこれを支え墜落を防ぐ様に取付けた戸をいう。つきあげまど/突上窓
障子を突揚戸のように取付けた窓。 茶室の屋根に明かり取りのために設ける。掛込み天井に明けられた窓。→掛込み天井つきあげき/突上木
突上窓を開けるときに突上木を窓にあてがう。つきうすでちゃづけくう/搗臼で茶漬食う
大器を小用する喩。つきいし/築石
石垣積用の石をいう。つぎたまいし/継玉石
玉石を積み重ねて作る地形をいう。つぎて/継手
二本の部材を、その材軸の方向に対して連続となるように一本化させて、一本の長い部材とすること。つきつけ/突付
接合の一種にして二つの木を単に突合わせ釘打ちにしたもの。つきどけい/月時計
日時計で流用できる。月光を利用した時計。つぎとろ/注とろ
「モルタル」に多量の水を混ぜたるものなり。つきのみ/突鑿
鐵槌の力に頼らず単に腕力にて押して穿つために用いる鑿。つぎはだ/継肌
継手において雨材の相接する部分。すなわち継目を「継肌」という。つきひのねずみ/月日の鼠
人命のはかなきに喩う。 俊成、〜 わがたのむ草の根をはむ鼠ぞと思えば月のうらめしかな。〜つきみずづき/月見ず月
五月の異名。つきみづき/月見月
八月の異名。つぎもるたる
「つぎとろ」に同じ。つきやく/月役
昔こけら葺下の小舞に用いた貫にして長さ一間幅一寸五分程厚さ四分の松材。月役小舞とも称す。「ふじかき」。つきゆきはなにさけとしゃみせん/月雪花に酒と三味線
風流才子の願望。つきよにこめのめし/月夜に米の飯
いつまでも飽きぬという喩。つきよにちょうちん/月夜に提灯
無用の喩。づくてつ/銑鐵
「せんてつ」。つくばい/蹲踞
茶会の時、客は席入り前に口を漱ぎ、手を洗って体を清めるのが常法とする。 そのために茶室に近い露路に水鉢を据えたつくばいを設ける。 → 【そんきょ/蹲踞】水を使うときの姿勢で体を屈めること。相撲や剣道で相手と向かい合う姿勢のこと。つけあしがため/付脚固
柱の片面へ取り付けたる半脚固。つけいんろう/付印籠
印籠蓋の一種にして器具の蓋の作り方の一方。蓋はしゃくりなしに作り身に別木を付けて印籠方に似せたもの。つけおろしひさし/付卸庇
「つけだし」に同じ。つけがもい/付鴨居
鴨居と同じ高さの壁のところに通すもの。つけぎはまよけになる/附木は魔除けになる
硫黄を狐狸の忌むという俗説による。つけげや/付下屋
「つけだし」に同じ。つけしょいん/付書院
床の間脇の窓付きの所で、その棚板は机の代用になるもの。出府机又は出文棚、明かり書院などの別名あり。つけばしら/付柱
一方のみ柱に見せて荷を受けさせる。つけどこ/付床
取り外し自由な置床をいう。つけどだい/付土台
柱の一方より取付けて土台のように見せてある木。つけだし/廡
本家より別に片流れの屋根を出したる部分。つけぬき/付貫
竹連子の振留として横に取付けてある貫をいう。つけのし/付熨斗
棟の障泥板の上下に付く熨斗瓦。つけまぐさ/付まぐさ
冠木などの下端にとりつけたまぐさ。つけみぞ/付溝
揚卸窓の如く細い木を打ち付けて樋端及び畦として溝の形をしているものを「付溝」と称す。つじべんじょ/辻便所
貞操なき女をいう。つちでにわをはく/槌で庭を掃く
「横槌で庭を掃く」ともいう。慌てふためきて人をもてなす様。つた
漆喰の亀裂を防ぐために混和する繊維質の材料。「すさ」とも称す。つたかけ/つた掛
「つた掛刻」の略称。土蔵の小舞竹を取り付けるための柱の外面を刻むものとする。その刻みを「つた掛刻」という。つち/槌
かなづち、げんのう、きづちつち/犯土
静岡県森連の市況速報の下のほうに《つち情報》というものが掲載されている。 〜『つち』とは、暦の上で木を伐るに不適な日を言います。特に優良材の 根放しには、この日を避けてください。玉切りはかまいません。 次回の『つち』は○月○日(曜日)〜○月○日(曜日) 〜 とある。「新月伐採」に関係があるという説もあるけれど、 『つち』の期間中には土公神(どこうじん)が土の中に居るため、土を犯してはならない、だから伐採は慎むべしといういう説もある。
大犯土(おおつち)は庚(かのえ)午日より丙(ひのえ)子日に至る七日間にして、次の丁(ひのと)丑の日は間日にして、戊(つちのえ)寅日より 甲(きのえ)申日に至る七日間は小犯土(こつち)である。合わせて十五日間の中(うち)丑の日を除き、其の他は土を犯すを忌む。
土公神(どこうじん)とは、土を守る神にして、春は竈、夏は門、秋は井戸、冬は庭にあれば(にいるので)之を犯さぬ様なすがよい。
つちでにわをはく/槌で庭を掃く
追従することの形容。つちい/土居
「御帳台」の柱下の土台をいう。つちかぶり/土被
地中に隠れる部分。」つちと/土戸
壁土塗の戸をいう。店蔵の土戸は幅僅に一尺六寸乃至2尺程。つちとめ/土留
「土留桟」をいう又「山留」をもいう。つちとめおしぶち/土留押縁
「土留桟」に同じ。つちとめぎ/土留木
「土留桟」に同じ。つちとめさん/土留桟
瓦屋根にて土居葺の上に直に打ちつける桟のこと。つちとめぬき/土留貫
「土留桟」に同じ。つちばし
庭などに設けることがある橋にして土にて覆ってあるもの。つちびさし/土庇
庇下が土間になる場合にいう。「捨庇」ともいう。つちもん/土門
左右を築地にして屋根のない門をいうと家屋雑考に見えたり。つつみあり/包蟻
指物職の語。引出しなどにおいて側面にのみ蟻を付け前面には接合を顕さざる仕口をいう。つつみがわら/堤瓦
棟包の瓦。すなわち大棟及び隅棟の瓦をいう。つなぎかなもの/繋金物
総て繋維のために用いる金物。つなぎかま/繋鎌
継手の一種。つなぎつまばり/繋妻梁
建物の側面にある繋梁。つなぎぬき/繋貫
築地の須柱とその向かい側の須柱とを繋ぐため足元に取り付けた貫をいう。つなぎばり/繋梁
柱又は束の間に置き繋用の梁。つのがら/角柄
図の突出した部分。。
つのがらまど/角柄窓
欄間等にて一方の枠を枠を延ばしたもの。つのきっこう/角亀甲
各点に突出を有する亀甲模様。つのと/角斗
鬼斗の異名。つのと/角戸
竪組子が横桟よりは上下に突出した戸をいう。つのまた/角又
漆喰を製するために必要な材料。つのや/角家
本家より突出した翼をいう。つば/鍔
土管又は雁振瓦などの端の広がる部分。つばいし/鍔石
鐵煙筒を木造壁に通過せしめる場合にその周りに置く石。つばがわら/鍔瓦
雁振り瓦。づはっすん/頭八寸
人の頭の準度をいふ。(準度=?)つばのみ/鐔鑿
突鑿ともいう。細い鑿。つばまる/鍔丸
「つばがわら」におなじ。つばめあり/燕蟻
「はしつばめ」に同じ。つぶ
土蔵大折釘の座なる半球形の漆喰塗をいう。饅頭とも称す。つぶてもじ/礫文字
礫の如く一字づつ切りはなしたるをいう。つぼ/坪
一間四方のこと。庭には全く関係のない用語。つぼ/壺
室と室との間の中庭のこと。地方によっては庭のこと。中壺のこと。つぼかなもの/壼金物
開き戸の釣元にある金物。つぼひじき/坪肘木
【組物】出組以上の組物の場合、最も外の肘木、天秤のように巻斗を受けるためこの名前で呼ぶ。→実肘木つぼがね/壺金
開戸などの釣元に設けたる金物なり。つぼがめ/壺瓶
便所に埋める瓶をいう。「下須瓶」とも称す。つぼぎり/壼錐
ふつうの錐より大きめな穴を開けるときに使用するもの。つぼなわ/壺縄
土蔵鉢巻の漆喰を留めるために設けた縄。縄掛貫に取付く。つぼほり/壺堀
地を円く掘ることを壺堀という。つぼのいと/壺の糸
「墨壺」の糸。「墨斗線」ともいう。つぼのうち/壺の内
中庭のこと。つぼのうち/坪の内
最も簡素な露路よりさらに簡素な露路以前のもの。つまいた/妻板
総て物の脇なる板。引出しの側の板も妻板の一例なり。戸袋の脇の板も妻板。つまかざり/妻飾
端にある飾りをいう。つまこうし/狐格子
入母屋の妻に造る格子のこと。きつねこうし、きづれごうし…つまこうりょう/妻虹梁
建物の側面に現れる虹梁をいう。つまど/妻戸
端戸の意。小脇戸ともいう。つまどだい/妻土台
妻面にある大土台つまばり/妻梁
建物の妻面に見える梁。妻虹梁も妻梁の一種。つまみ/抓み
開戸または引戸、蓋などを開閉するときに抓むために設けたとってをいう。つまみかなもの/抓金物
窓障子または戸などを開閉するときに抓むために取り付けた取っ手。つめ/爪
引掛瓦の「爪」は引掛けるために下端に設けた突起をいう。鬼斗の「爪」はその下方の四隅にある部分をいう。
鎹の爪はその端の曲がっている部分。
つめかなもの/爪金物
端の曲がる金物をいう。鴨居釣もその一種。つめぐみ/詰組
枡組を密接せしめたる造り方。つやけしがらす/艶消硝子
半透明な硝子をいう。透明な硝子を金剛砂を用いて摩りて艶消とする。つゆさき/露先
絵様若葉の尖端。つゆそぐさ/露曾草
蒲の異名。つゆたえぐさ/露堪草
蓮の異名。つゆとりぐさ/露取り草
芋の異名。 〜 此名七夕祭りより起るなるべし、中院内府口傳云々、七月七日早旦に芋の葉に置きたる露をとりて、硯の水とするなり、 禁裏へは主水寮より芋の葉に露を包みて奉ると云う。〜つゆなめ/露舐め
兎の子を露なめ又は露ねぶりという。つら/面
表面をいう。つらいし/面石
石積みなどにおいて表面に見える石をいう。裏積みに対する語なり。つらうち/面打
面付と同じ。つらかくし/面隠
廐(うまや)において隣馬と相見えないように設けた仕切り。またその端の柱を「面隠柱」と称す。つらつけ/面付
貫などのを柱面等に釘付けにすることをいう。面打とも称す。丸太を他の木にとりつけるためにその木に接する部分を斫り平らにすることもいう。