ふ/斑
石などの「まだら」をいう。ふぃぼなっちすうれつ/フィボナッチ数列
0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, … のこと。
0と1、ふたつの数から始まり、前項のふたつを足して三つ目の数を得ることを繰り返す。
最後の数からその直前の数を割ると(計算を進めるほど高い精度で)黄金比が求められる。 (黄金比は無理数です)
ゆえに、x番目のフィボナッチ数は、黄金比≒1.618 をx乗してルート5で割り、整数で丸めれば得られる。
この算式で得られる数列からは、最初とふたつ目の数がどのような組み合わせであっても、(図表では任意の数として -9999 と 3333 を選んだ) 前述と同様の方法で黄金比が求められる。 黄金比に収束してゆく現象が不思議。
フィボナッチ数列は周期的に11で割り切れる。
フィボナッチ数列の算式を応用した方法で、1.13198824… という特別な数 (無秩序系を説明する新しい数学定数)が得られるそうです。
ふうたく/風鐸
仏堂の軒先の四隅、仏塔の九輪、多宝塔の宝鎖に吊り下げられる筒型の銅製の楽器、青銅製の鈴。中に舌(ぜつ)と風招が吊るされる。宝鐸ともいう。揺れると音がするので悪霊払いになると信じられ、平安時代には貴族が屋敷の軒に下げるようになり、それがいつしか音色を楽しむための風鈴へと変化していった。風鈴という言葉を作ったのは浄土宗の法然上人だとか。写真は屋台に付けられる風鐸で、銅製金メッキ仕上げ、直径1寸8分、高さ2寸5分。ふうげつ/風月
風景。花鳥風月、江山風月など。ふうすいとう/風水塔
中国の道教建築のひとつ。観の一種であり、地相に対する信仰かに生まれた土地の福運を守るために 建てた宗教建築で、九輪や仏画や仏像がなく仏塔のように複雑でもない。中国各地には余りにも多く存在する。 日本では模型の置物やキーホルダーが学業成就や起業開運などの風水グッズとして販売されている。ふうど/風土
その土地特有の雰囲気。気象や動植物や人の生活。地方的国民性。ふうりん/風輪
仏塔である五輪塔(ごりんとう)は形の異なる石を五つ積み重ねたものであるが、風輪は上から二つ目の半月形の石のこと。ふうふまど/夫婦窓
「めおと窓」ともいう。連双窓に同じ。ふえばしら/笛柱
能舞台の四本柱の一つにして向って右の奥の柱をいう。ぶがけ・ぶがかり/歩掛け
仕事の出来高単位のことで、一日、一人の量、作業数量を長さや面積や体積の 単位で数値化したもの。一人の大工が一日を要する作業は、一人工分の手間となる。ふきあし/葺足
屋根に葺きたる瓦石板等の下端よりその下なる瓦等の下端迄の長さ。ふきいた/葺板
屋根を葺くための板。ふきおろし/葺卸
本家の屋根を延長して下屋等の上に及ぼしたるときにいう。ふきじ/葺地
土居葺をいう。ふきぬき/吹抜
あけはなしに同じ。「吹抜丸太柵」は柵子の間あけはなしたるをいう。「吹抜矢切」は矢切子の間あけ放しなるものにて板張りなるものに対する語。ふきのじ/葺野地
「ふきじ」に同じ。ふきはなし/吹放
あけはなしをいう。「吹抜」に同じ。ぶぎょうまど/奉行窓
「のぞきまど」に同じ。ふきよせ/吹寄
二本づつ一組に並べてあること。「笹縁六分四方吹寄に取付け」とは竿縁二本一対として取付けること。ふきよせたるき/吹寄垂木
一ヶ所に二本づつ一組として取付けた垂木をいう。ふきよせばしら/吹寄柱
柱を一箇所に二本づつ建てたる場合にいう。ふきよせわり/吹寄せ割
垂木割りの一法なり。本繁割の垂木を三本目毎に抜とりて残り二本づつ一組となるようになしたるものを吹寄せ割という。ふきよせたるき/吹寄垂木
垂木を数本ずつ集めて配列したもの。繁垂木を2本おきまたは3本おきに抜いていくと この形式になる。→繁垂木ふきわけ/葺分
石板葺の一種にして形の異なるものを交互に交えて葺くこと。ふくぎ/伏犠
中国山東省嘉祥県に「武士祠石室(ぶしし)」というものがあり、 その内部の画象石に人身蛇尾の男女の像が刻まれているという。 男象は宇宙のすべてを作ったといわれる中国の最古の皇帝伏犠であり、女象は その妻の女女咼(じょか)。 祖先神たちの腰から下は日本の幽霊のようになっていて お互いの下半身を絡まらせた和合の図になっている。そして、 伏犠の手には(男性のシンボル)「規」(円)を意味し「天、陽、東、右」を象徴する コンパスが、女禍(当て字)の手には(女性のシンボル)「矩」(正方形)を意味し、 「地、陰、西、左」を象徴する定規(曲尺)が握られている。 つまり宇宙の秩序のはじめには規矩ありきということで、 日本の建築の○△□カタチに関することなどや祭祀に関することなどは、 日本の古代信仰と習合した(伏犠をルーツに持つ)陰陽五行思想とも深い関りがある。 なお、同様のレリーフは中国の他所にも見られるようだ。ふくすけ/o
矮身巨額の想像上の人物でuェありと信じられている。ふくすけ/o
扇子のこと。盗賊語。ふくばち/覆鉢
断面は四分円形類似にして伏図は円形をなすもの。擬宝珠の上方又は露盤の上などにあり。ふくみ/含
肘木又はその他の木が入れるだけの枡形の部分。すなわち枡形の上端より肘木下端までをいう。ふくりん/覆輪
断面半円形をなせる細い帯形。門柱上兜巾下などにあり。ふくりんめじ/覆輪目地
煉瓦目地の仕上げ塗りの一つにして断面半円形をなすもの。ふくろいた/袋板
戸袋の羽目板。ふくろくじゅのず/福禄寿ノ図
左は小池佐太郎の毛筆画習作。 手本にしたと思われる絵は 国立国会図書館デジタルコレクション『萬物雛形画譜』 の 2 に収載されています。ふくろだな/袋棚
床脇の上方なる小戸棚。「ちぶくろ」は下にあり。ふくろと/袋戸
床脇の小戸棚の戸。ふくろとこ/袋床
床の落掛及び框の長さは床の地板及び天井の長さよりみじかくして地板の一端には三方に壁ありて袋をなすもの。これを言い換えれば床の間口は奥の幅より短くその差だけに壁あるもの。ふくろどだな/袋戸棚
「ふくろだな」に同じ。ふくろばり/袋貼
周りにのみ糊をつけて紙を貼ること。ふけばい/ふけ灰
生石灰が空中より水気を取り水化したる石灰。ぶけまど/武家窓
旧幕府時代の武家家作りなどにありたる竪格子付の窓。横格子のは興力窓なり。ふける
生石灰が水を吸収して水化すること。ふげんのぞう/普現ノ像
左は小池佐太郎の毛筆画習作。 手本にしたと思われる絵は 国立国会図書館デジタルコレクション『萬物雛形画譜』 の 3 に収載されています。丸山応挙の筆「江口君騎象図」に似ていることに気づき、 普賢菩薩や江口の君のことを調べ、漸くなるほどと思った次第。 タイトルが、なぜ「普賢の象」でないのか漠然と理解。
ふご/畚
「もっこ」。ふさ
竹の節の最上部にて節より上の部。人によりこれを上の胴という。ふさひきて/総引手
襖などに付く引手にして総にてつくりたるもの。ふざんのゆめ/巫山の夢
男女の交歓をいう。ふし/節
竹の節などの細い繰形。樹の枝を除きたる跡に残る痕。生節、死節、抜節、小節、上小節などあり。
ふしどめ/節止
節より脂の出るのを防ぐためペンキ塗りの前に節にある材料を塗ることをいう。ふじかき/藤掻
小舞などに蔓又は縄を纏うことをいう。ふじかとう/富士火燈
富士山形の火燈。ふじさん/富士山
富士山本宮浅間大社(主祭神==浅間大神・木花之佐久夜毘売命)の御神体。山頂は国有ではなく、富士山八合目以上の土地約400万平方メートルのうち 38000余平方メートルの土地(登山道や富士山測候所など)を除いて浅間大社のもの。(昭和49.4.9 最高裁法廷の決定)ふじょ/巫女
みこ。ふしん/普請
建築すること。これ佛家より起こりたる語。ふすま/襖
木にて骨を作り表裏より紙又は布を貼りて作りたる障子をいう。襖の骨は組子、力子、火打板より成る。又縁には上下縁、竪縁、定規縁あり紙は上等物七返貼中等物五返貼とする。ふすまかわら/衾瓦
棟の最上に用いる瓦。ふせみず/伏水
地下から湧き出る水のうち、流れ出す力の弱いもの。勢いの強い水は「立水(たちみず)」ふせがわら/伏瓦
「おがわら」に同じ。ふすましょうじ/襖障子
「ふすま」に同じ。ふせじ/伏地
「伏図」に同じ。ふせとい/伏樋
地中に埋めた樋。ぶたいけんちく/舞台建築
山地の険阻な斜面や、洞窟などに建てられる建築(多くは社寺)のことを山岳建築というが、舞台を本位として斜面にのり出した建築のこと。ふたこしやね/二腰屋根
棟から腰まで二つの流れのある屋根のこと。ふたでさき/二手先
支輪下にある斗組が二重になる場合をいう。ふたのき/二軒
軒が地檐と飛檐と二段に出る軒をいう。垂木が上下二段構えに出ているもの下部を(この画像の場合は上です)地だるき(じだるき) 下部を(この画像の場合は下です)飛えんだるき(ひえんだるき)二軒(ふたのき)の下面が上に置いてあるところを撮影しています。地だるき・飛えんだるきの鼻を横に連ねる材を、それぞれ木負(きおい)・茅負(かやおい)といいます。
垂木の部分を二軒
ふちいし/縁石
「へりいし」なり。ふちだか/縁高
点茶で用いる縁の高い盆のこと。ふちょうせんにん/馮長仙人
左は小池佐太郎の毛筆画習作。 手本にしたと思われる絵は 国立国会図書館デジタルコレクション『萬物雛形画譜』 の 5 に収載されています。ぶっしゅ/ブッシュ
軸受けの性能試験 ( スターライト工業(株)様「すべり軸受」カタログより)車軸と軸受けには大きな負荷がかかります。車軸の焼き付とかじり付き損傷を防止するために、岸和田のだんじりでは2000年頃から強度と耐摩擦摩耗特性に優れた非金属製すべり軸受けの装着が増えているそうです。グリスの塗布は最初の少量だけで済むので、はっぴや白木のシミ汚れも解消されるそうです。
ふづくえ・ふみづくえ/文机
四方転びの文机です。四本の脚を外向きに傾斜させ、踏ん張るように作りました。樹種 桧 寸法 縦1尺8寸5分(562o) 横3尺(910o) 高さ1尺2寸(364o) 無塗装
数台、在庫があります。
ぶっきょう/仏教
1500年前に伝わった外来宗教。日本に受容されて日本化されている。仏教とは釈迦の説いた教えのことですが、 釈迦もキリスト教におけるイエスの場合と同様です。 イエスは宇宙の創造主である神の教えを伝えるために人間の姿で出現した存在です。 釈迦は宇宙そのものである仏の教えを伝えるために人間の姿で出現した存在です。 ゆえにイエスは神そものであり、釈迦も仏そのものです。 すなわち、釈迦の説いた教えとは、宇宙そのものである仏の教え、「ダルマ」 宇宙の無意識性を感得し、その法則に従って随順して生き、自他共に幸せになるべき…、 そんな感じではないかと。 日本への仏教伝来は6世紀半、 百済の聖明王から贈られた仏像を、 天皇から《試に礼ひ拝ましむべし》と言って授けられた 蘇我氏が蕃神として礼拝することから始まりました。 その後、仏教は固有の土着信仰と融合して仏と菩薩と神が共生した 国民宗教であり宗派仏教であり葬祭仏教の日本仏教に変化していきます。 つまり、宗教を意識していなくともたいていどこかの仏教宗派に「家が」属しており、 仏教による葬儀は身近ということです。しかし、本来仏教は葬儀に関りがなく (盆も同じ)僧侶が一般大衆の葬儀(墓も同様)を行うようになったのは檀家制度が確立した 江戸時代になってからなのだそうです。檀家制度は(キリスト教徒を根絶する ために)どの家でも必ずどこかの寺の檀家になるという制度で、寺が転居や 結婚や就職や旅行のときの身分証明書となる寺請け証文というものを発行した そうです。以下は主要七宗と開祖です。 ●天台宗(平安仏教)/伝教大師・最澄767-822/すべての人は成仏 ●真言宗(平安仏教)/弘法大師・空海774-835/印と真言を唱えて即身成仏 ●浄土宗(鎌倉仏教)/法然1133-1212/南無阿弥陀仏を唱える・専修念仏 ●浄土真宗(鎌倉仏教)/親鸞1173-1262または蓮如1415-1499/南無阿弥陀仏・絶体他力 ●臨済宗(鎌倉仏教)/栄西1141-1215/悟り・座禅・禅問答・茶道/千利休 ●曹洞宗(鎌倉仏教)/道元1200-1253/只管打座・ひたすら座禅/永平寺 ●日蓮宗(鎌倉仏教)/日蓮1223-1282/南無法蓮華経を唱える・理想国家/本能寺
ぶつぞう/仏像
宗教的な意味を持つ立体的な像のこと。文化財としての価値は不問です。 釈迦像について、小乗仏教には仏像がなく、大乗仏教には仏像があります。 小乗仏教では、釈迦は輪廻転生から脱出された姿なき存在なのだから、 人間の姿の像にしてはいけないと考えがあります。かたや大乗仏教では、釈迦は人間の 姿をとって出現したのであるから、人間の姿の像にしてよいと考えます。 仏像には大きく分けて、如来像、菩薩像、明王像、諸天諸神像、祖師像・高僧像があります。 仏像には時代的に下記のような形状の特徴があります。飛鳥時代
==朝鮮半島の影響を受け、面長で鼻高くアーモンド状の目、非人間的なプロポーションで神秘的な気配。→しゃかにょらいざぞう白鳳時代
==唐の文化の影響を受け、柔和な丸顔で小鼻の目立つ丸みを帯びた鼻、半分閉じた切れ長の目、人間的なプロポーションに近づく。天平時代
==ふくよかな仏像や細身で軽快な仏像が作られる。目尻が吊り上がりくっきり、鼻の穴が大きく、丸みを帯びた耳。いきいきとして理想的な肉体表現が進められた。平安時代
==最澄・空海が唐より密教を日本に伝えたことにより、大日如来をはじめとする異形の仏像が作られるようになり、仏像のバリエーションが増えた。鎌倉時代
==写実的かつ躍動感にあふれる金剛力士像のようなリアルな仏像が作られた。この時代から黒目に水晶をはめた「玉眼」がつくられた。この時代以前の眼は、彫眼に彩色するか、黒曜石や黒い木で表現した。室町時代・江戸時代
==多数の仏像が造られたが、光背や火焔(かえん)を立体的に表現する工夫以外に特徴はなく、最盛期は過ぎ衰退しているとの見解が一般的ということらしい。 釈迦の人格を具現化するにあたり、勝手気ままに作ることは許されず、釈迦の特質はは経典や儀軌の 規則になって今日まで伝わっているそうです。木製の仏像には像の全体が一本の木からできている 「一木造り」と、像の各部を別々に彫刻してあとで一体化した「寄せ木造り」があります。 『大智度論』という儀軌によると仏像には三十二相八十種好という特徴があり、その第十四の 「金色相」に、仏身は黄金色であると定められていることから、金ピカの仏像が多いのだそうです。
ぶっそくせき/仏足石
釈迦の足の裏の形(輪郭や筋模様等)を大きく石面に刻みこんだ板石。仏像よりも早い時期に礼拝の対象となった。ぶつだん/仏壇・仏檀
木製で屋内にあるものを仏檀、それ以外の土壇や石壇は仏壇(漢字が違います)。 元々は信仰する本尊諸仏を念ずるための収納庫でありましたが、 民間に浸透するにつれ先祖供養の対象として考えられるようになりました。 ちなみに先祖供養に必要なものは、 位牌、火立(ひだて(ロウソク立て))、前香炉(線香立て) リン、花立て。江戸時代初期に幕府が定めた寺請制度の一環として、死者には僧侶から戒名が与えられた。戒名を 記した位牌を安置する設備が庶民にとっての(祖先の霊が常在する場としての)仏檀の起源。
ぶつだんのとうかはくちでけすな/仏壇の燈火は口で消すな
不敬(ふけい=吹け)なりとの意。ふでかえし/筆返
違棚または短い袋棚についた彎曲状の縁木。形により立波、若葉、鷹頭、唐波、波返、都鳥等の別あり。ふでのうみ/筆の海
硯をいう。ふどう/不動
不動明王の略。ヒンズー経のシバ神が密教に取り入れられて大日如来へ化身した姿。ふところ/懐
内部の意なり。「揚卸窓枠錘道板懐へ取付け」とは錘道板を箱枠の内部へ取り付けることをいう。錘道板とは仕切板なり。ふなひじき/舟肘木
【組物】柱上もしくは柱上の大斗にのせて桁を支える。三つ斗組の肘木よりも長く両端を舟の形に刳りあげる。★柱上に肘木のみを置いて、じかに桁を支える方式の肘木を指す場合もあります。ふなぞこてんじょう/舟底天井
断面が舟の底のように弓型になった屋根天井のこと。ふねのもけい/船の模型
素材が木であれば、基本的に何でも製作いたします。ふのり/布海苔
漆喰材料の一つなり。上等なるは金華山布海苔にしてその色は淡黄肉は細美なり。産地は陸前違島及び気仙なり。朝鮮布海苔と称するのは紀州及び九州各地より産するものにて黄褐色なり。また松前布海苔は北海道の産にして鼠色をなす。ふみいし/踏石
踏むために庭に散布したる石。/ 茶室軒内にじり口に最も近く据える一番石。 / 書院軒内の沓脱石。ふみいた/踏板
階段に同じ。ふみかけいた/踏掛板
階段の最上段にして床面とさすりなるもの。ふみこ/踏子
梯子の横木にして足の踏掛るもの。ふみこみだたみ/踏込畳
茶室において勝手口に近い畳。ふみこみとこ/踏込床
床の間の一つなりその上端は座敷の畳上端と同平面にあり。ふみさがり/踏下り
流れに沿って棟よりの下り。ふみつら/踏面
地覆又は段の上端。ふみどめ/踏止
隅合掌の最下部陸梁に取り付ける場所のこと。千鳥破風板等の最下部。ふやじょうのごとし/不夜城の如し
燈火煌々とした市街のこと。ふゆき/冬木
常緑樹。 ⇔ 夏木ふゆぼたん/冬牡丹
火鉢をいう。ふらんじ/フランジ
屋台の車高を上げるために土台に飼い物をしています。この飼い物は「ネコ(ねこ)」と呼ばれ、補強の鉄板はフランジと言います。猫は車軸の高さの関係で土台や中土台への負担を軽減する用途としても用いられます。ふるきをたずねてあたらしきをしる/故きを温ねて新しきを知る
既往の成敗得失を見て、今の世の新しき事変に応用すべし。ふれこうばい/振勾配
振れ隅勾配のこと。ブレーキパット
中央の右側の写真のように車輪の接地面を水平方向からパッドで押さえ付ける摩擦式のブレーキに用いる磨耗材のことです。
左側の写真は産業用に使用されている(本来は製材機械のドラム制動用だとか…) 磨耗材を屋台のブレーキパッドの大きさにカットしたもので、金属繊維が織り込まれていることから耐久性にも優れます。右側の写真のように自動車のタイヤなどが流用されることもあります。
ふれすみ/振隅
眞々45度の正方形の筋違線がいずれかに偏る隅木をいう。ふろ/風炉
夏に茶室の炉で茶を沸かすのは暑いので、別に移動できるように茶釜をかける風炉。夏秋に使う。ふろうず/不老図
松、竹の配合に対する嘉祥雅言。ふろうせき/不老石
池の中に立てた石。ふろおけ/風呂桶
厚さ6センチの板で作ったヒノキの風呂桶です。
製作実績3台。木栓の部分からポタポタと水が漏れます。 (ゴム栓にすれば漏れないが、栓が抜けなくなる。) お手入れが大変です。経年使用で腐朽します。 溢れるまで湯を入れたいので、湯をたっぷり使います。
背中がもたれやすいように傾斜を付けました。 ステンレスボルトで補強(危険でないように短く切ってキャップボルト)しました。 ボルトを使わず、長ほぞ鼻栓で作ることも可能です。
ふろく/不陸
平坦にあらざることをいう。水平でないこと。ふろふきだいこん/風呂吹き大根
漆塗り職人が漆器などを乾かす(硬化させる)ために、適当な温度と湿度を 管理している部屋(作業場)を室(むろ)あるいは風呂と言います。 むかし、漆が乾かずに困っていた漆塗職人が、風呂(室)に大根の煮汁を霧吹きで 散布すると漆が早く乾くことを知り、大量の大根を煮て煮汁を取り、必要のない大根は 近所に配ったことから、風呂吹き大根という名前が広められていったそうです。 但し、漆の硬化と大根の煮汁には因果関係がなく、湿度と温度を保つための蒸気を 必要とするために大量の湯を沸かしたので、ついでに大根などの野菜を煮ただけという 諸説もあるようです。ぶんしょうせい/文章星
左は小池佐太郎の毛筆画習作。 「萬物雛形画譜」以外の資料も探してみたのですが、手本にしたと思われるような絵は発見できませんでした。文章星や魁星について検索してみました。 台北に学問の神であるところの文昌帝が祀られた文昌宮というところがあるそうです。 文昌宮には兼祀されている文魁夫子こと魁星帝が像もあり、 左手に瓶、右手に筆を持ち、科挙の合格者に印をつけてようとしている姿を表現しているのです。 おそらく、文魁夫子がこの絵の正体なんだと思います。