もうけ/設
茶会における初座入りのこと。『南坊録』に記述があるという。もえぎ/萌木
芽の出たる木。もく
松落葉。もく/木
釈迦に「木とは冒なり、華葉もて自ら冒覆するなり」とあり。もくざい/木材
木を切りて諸種の用とするもの。材木。もくねじ/木螺旋
木に用いるための金属製の螺旋をいう。もくめ/木理
木の面に現れる綾をいう。木理は木の年輪及び髄線などによりてしょうずるものにて木の性質と切り方とにより種々なる形をなすものなり。木理中に板目、柾目、如鱗杢、まい葡萄などあり。もくめいた/杢目板
うつくしく屈曲したる木理を有する板をいう。如鱗杢又は舞葡萄ほどの木理ならざるも普通の板目よりは麗しきものをいう。もくりょう/木工寮
「たくみりょう」を見よ。もくれんが/木煉瓦
「きれんが」に同じ。もくろうじはさんねんみがいてもくろい/木欒子は三年磨いても黒い
天然の性質は到底人為を以ってしても改められない。 (木欒子=もくれんじゅ=むくれにし=モクゲンジ⇒寺院などに植えられ、種子は数珠に利用された)もけいやたい1/模型屋台1
二輪屋台の模型です。
1/5の縮尺で製作。部材には檜と欅と樫を使用しています。芯木が前後に動き、車輪を回すと音が出ます。大八車の輪金は内藤鐵工所さんに嵌めていただきました。
もけいやたい2/模型屋台2
一層大唐破風造屋台の模型です。1/5の縮尺で製作。部材には檜と欅を使用しています。抽斗と建具は開閉できます。
屋根板と改め口は取り外しが可能、軒と破風は分離できます。組子の斗に至るまで分解できます。
事務所にて展示しています。
もけいやたい3/模型屋台3
軒搦二重屋根唐破風入母屋造屋台の模型です。1/4の縮尺で製作しました。(高さおよそ1メートル25センチ) 彫刻、錺金具、車輪、屋根銅板、水引幕、提灯等は未完成です。ご笑覧いただければ幸いです。
もぎき/禿木
枝をもぎ取りたる木。枯れて枝なき木。禿樹。もこし/裳階
身舎(もや)、あるいは庇の四面に、さらに一間巾に取り付けた庇状の構造物。薬師寺三重塔の各層、平等院鳳凰堂など。本屋の側柱(庇柱)の頂部に庇を取り付けたときにできる空間を言う。建物を広く使うために設けられる。奈良時代から。もちうす/持臼
猫臼に同じ。もちおくり/持送り
腹板の下の部を繰る部分をいう。雲形、若葉形種々あり。突出した部分(縁葛)を支えるため柱に取りつける板材のこと。もちばなし/持放し
腕木などの支承のない部分をいう。もちだしかまつぎ/持出鎌継
次を見よ。もちだしつぎ/持出継
「しんつぎ」を見よ。鎌継の場合には「持出継」といえる如し。もっこ/畚
土砂利などを運ぶときに用いるものにて大きさは三尺方、一尺五寸方、などあり。もっこ・もっこう/木瓜
脇障子のもっこ山車台のもっこ。木瓜(もっこう)とは瓜(うり)を輪切にしたときの形状のことを意味し、建具屋さんも木瓜にするという風に使っています。
もっこううず/木瓜渦
木瓜をもって作りたる渦。もっこつれんが/木骨煉瓦
木骨煉瓦造の略なり。木にて骨組を造りその間を煉瓦にて充填したるもの。もけ/木瓜
ぼけ(植物)に同じ。もーてる/モーテル
mortoring と hotel の合成後。 昭和40年代、幹線道路添いに存在した大型駐車場を持つ米国風の大衆食堂。 今で言う高速道路SA上のレストランのようなものであるが、 当時は道の駅もなくドライバーやその家族にとって画期的であった。 「ドライブイン」と呼ばれるべき施設であるのに「モーテル」と呼ばれていた。もときにまさうるきなし/元木にまさうる木なし
幹よりも太い枝はない。ものみまど/物見窓
「のぞき窓」に同じ。ものみやぐら/物見櫓
遠見櫓に同じ。もふく/喪服
日本では死者の死装束と同じ白い色をまとうことで喪中であることを示していたそう ですが、戦後になって西洋から入った考えの黒が定着しました。もみずさ/樅ずさ
「わらずさ」に同じ。もみひら/樅平
「ひらわり」を見よ。もめ/揉
木材の割裂をいう。もも/桃
桃は多くの実をつけることから柘榴などと同様に多子のシンボル。生命力があると同時に邪気を払う力があるとされ、 その果実を食べることで長生きが約束された。魔除けのために、3月3日の桃の節句に桃酒を飲み、鬼門には桃を植えるという。 「桃栗三年柿八年、柚は九年で花盛、梅はすいとて十三年」ももじり/桃尻
桃の実のすわりの悪さに喩えて、ものの落ち着きのなさをいう。ももたろう/桃太郎
屋台の彫刻、桃太郎の図柄は浜松市が所有する屋台の御簾脇の片側に彫師の早瀬宏さんに彫ってもらいました。桃太郎は金太郎よりも新しく、江戸時代中期から後期にかけての赤本・豆本・黄表紙・青表紙などに登場したとされ、 明治の児童文学者巌谷小波の「日本昔話」によってその名を日本中に知られるようになりました。 いま青空文庫では、楠山正雄と芥川龍之介の「桃太郎」を読むことができますが、そのニュアンスはかなり異なっています。 しかし、それ以前に日本の各地には様々な桃太郎伝説が数多く存在し、地獄で鬼に捕えられたお姫様を救い出すというというストーリーがあったり、 日本の都である奈良・京都に桃太郎がいて、瀬戸内海の海賊が棲む島がある西に向かって出陣していったことから 十二支の西側に配置されたイヌ(戌)、トリ(酉)、サル(申)の三匹を御伴にしたという意味づけが為されたものもあります。 それは、英雄伝説的童話説、中国神仙道教思想による不老長寿説、神話零落説だったりして、何を伝えようとしているのか憶測が飛び交う、侮れないお伽ばなしです。
ももやましき/桃山式
いわゆる「桃山式」とは、 桃山時代の活気があり派手なしかし自由奔放な表現で、菊・桐・牡丹・唐草などをモチーフにした装飾彫刻や飾金具や絵画などが建築に採用した繊細華麗な豪華絢爛なものを指す。ももやましきやたい/桃山式屋台
浜松まつりで使用されている屋台は、普通に「屋台」、多くは「御殿屋台」、あまり耳にしないものの「桃山式屋台」と呼ばれている。 浜松の郷土史家である山崎源一氏は、その「桃山式屋台」という名称の発明者ではないかと噂されているのだが。昭和50年代、山崎氏は自転車の荷台に資料を積み、うちを度々訪れた。山崎氏は小池清と屋台の話をして 、寄付金も集めていった。その代わり屋台に関する資料をたくさん頂戴した。但し、現存していないので、貸してくれただけかもしれない。 その中には小池佐太郎が製作した屋台の記述もあり、本ホームページの「屋台建造履歴」を作成する際には参考にさせていただいた。 桃山式屋台という言葉には、そのとき、はじめて出会ったように思う。
今はどうかしらないけれど、浜松市立図書館の郷土史のコーナーには山崎氏の書かれた浜松祭りについての本がある。 その書籍のなかで山崎氏は、小池佐太郎の製作した屋台を含め、当時の浜松まつりの屋台を全て一緒くたにして「桃山式大唐破風」と称している。 しかし、佐太郎や清は「桃山式」なる言葉を使用したことがない。
従って、少なくとも山崎氏が使用するところの「桃山式大唐破風」は、特定の屋台だけに限定して称しているとは考えにくいのだ。
山崎氏以前に「桃山式屋台」という呼び方があったかどうかはわからない。山崎氏は 「御殿屋台」のような意味での「桃山式屋台」という言葉を発明してしまったのではないかと思う。 なお、山崎氏は、当時懇意にさせていただいたバイク屋さんの親だったということもあり、懐かしく思える。
もや/母屋
小屋束の上に置いて野垂木を支持するもの。野地の桁。もや/母屋・身舎
仏堂において、大梁を受けて構成する主体部分、仏壇を設ける空間。もやころび/母屋転び
母屋が勾配に転ぶこと。もやころびとめ/母屋転止
母屋に接して合掌上に取付けたる木片をいう。もやちがい/母屋違い
その隣の母屋と高さが違うこと。もやわり/母屋割
母屋を割り配ること。もりかえ/盛替
工事の進むに従い足代の棚を漸々に位置替えすること。もりあげ/盛上
水盛に用いる語。水準器にて水平を高めること。もりあげ/盛揚
鬼瓦の「盛揚」とはその背後の漆喰をいう。もりこぼし/盛飜
杓杖に目盛したる後の余白。もりこむ/盛込
含有せしめることをいう。「釘代は別に見込まず床板張中に盛込みたり」など。もりさげる/盛下
水準器にて水平を低めること。もりつち/盛土
地鎮祭などを執行するとき山形に土を盛りその上に御幣を建てその前に祭壇を設けるものとするその山形の土を盛土と称す。総て低地の水平を高めるため盛足したる土をいう。又土を盛足すこともいう。もりつける/盛付る
杓杖などに目盛すること。もるたる/モルタル
煉瓦又は石を積むときその接際に入れてこれを付着させるために用いるもをいう。もろおりど/両折戸
二枚扉をいう。もろはかんな/両刃鉋
堅き材を削るときに用いる鉋にして表刃と裏刃とを有するもの。もん/門
戸外の出入口をいう。透打門、木戸門、腕木門、冠木門、高麗門、矢来門、渡櫓門、薬醫門、四脚門、楼門、上土門、埋門、腋門、鋳抜門、平唐門、向唐門、塀重門、切抜門、凱旋門など。