ざ/座
座金の略称なり。「戸の捻手の座」は捻りの根元にある座金をいう。丸座及び菊座は樽の口の根元の座金なり。さい/才
一寸角にして長さ六尺なるを一才という。さいぎょうほうし/西行法師
左は小池佐太郎の毛筆画習作。 手本にしたと思われる絵は 国立国会図書館デジタルコレクション『萬物雛形画譜』 の 4 に収載されています。さいくびんぼうひとしもべ/細工貧乏人下部
「細工貧乏人宝」「器用貧乏人宝」に同じ。サイクロイド
円が直線上を滑らないで転がるとき、その円周上の定点が描く軌跡をのこと。 大きなお寺の屋根勾配が曲線状になっているのは、直線勾配よりも雨が早く流れる 曲線(サイクロイド)を応用して、瓦からの雨漏りを防ぐためだという。さいせんばこ/賽銭箱
ヒノキ材です。60cm×30p×35p(高さ)さいとりぼう/才取棒
左官の手傳が下に居りて足揚上の左官に漆喰を渡すために用いる長棒なり。その端に漆喰を容れる小器を付着してありその小器は木製にして堅漆喰の板にして軟漆喰用のは椀形をなす。さいとりどうづき/才取胴突
中間に縄引人足のある胴突。高い場合に用いることあり。さいのかみ・さえのかみ/塞神
道路を守り部落の守護となり、悪鬼や邪神を寄せ付けず、神社以外の神とされるもの。 多くは石の形で村境や峠や辻路の道端に立つ道祖神のこと。 道神(みちのかみ)、幸神(さちのかみ)、男女神、障神(さわりのかみ)、塞太神(さいたのかみ)などともいい、陰陽石を 指す地方もある。 村境、辻、峠などの境を、男女が交わることの 「「はずかしさ」という力」でもって、外敵の侵入を防いでいるらしい。 サルタヒコとアマノウズメ。道祖神は格の低い神とされている。ざいもくのかいだし/材木の買出し
ケヤキの丸太を吟味しているところです。屋台には芯のない部材を用いるため素性が良く大径の材を選びます。ざいもく/材木
工事に使用する木をいう。ざいもくやのとんびでたかくとまる/材木屋の鳶で高くとまる
高くとまるを尊大に講うる意にかけていう。(お高く留まっていて偉そうだ)さいれい/祭礼
神社で行なわれるが公共に開かれており神事としての要素が薄まったもの。 外来者(見物人)に与える影響と反応(対外交流)を重視しているため 社会性が濃く、祭事専用に用意された式服(法被など)を着用することが多い。ざいりょう/材料
屋台の材料には、樹齢二百年以上の欅および桧の良材が用いれらます。木材は天然の素材であるがゆえに均一でなく、しかも乾燥によって収縮変形する性質を持ちます。丸太で買い付けされた木材は芯去り材として大割りを行い、養生をしながらおよそ一年間自然乾燥をします。しかしそれでも狂いが生じます。だから乾燥度と目通り具合を吟味し、木に逆らわないような加工をします。もちろん優れた鉋や鑿、上質の砥石が欠かせません。間口十尺九寸、奥行十四尺八寸、高さ十六尺五寸の二層式屋台の場合、おおむね三十六石の材木を要し、大小取り混ぜておよそ二千の部材から組み立てられています。またその加工組立には一年が費やされます。
ざいりょうひろい/材料拾
工費の見積もりをなすのに準備として諸材料の員数を調べることをいう。さおかけがね/竿掛金
「かけがね」を見よ。さおしゃちつぎ/竿車知継
竿継に同じ。竿縁などに用いることがあり、また柱を隔てて両方の足固めを互いに継ぐ場合などにも用いることあり。さおだち/竿立
棒立ともいう。直立すること。馬が竿立になるなどという。さおつぎ/竿継
図の如く長いを以ってそれに適する穴に差込たる上、車知にて固める継手なり。之を竿車知継ともいう。右穴を竿道という。さおひきどっこ/竿引独鈷
掛鼻などの墜落を防ぐために虹梁などより出したる竿と車知とにてひきとめる様にしてある仕掛けをいう。さおぶち/竿縁
板天井の板受け木にして一尺五寸ま程に取付けてある細い木なり。天井板はそれに直角に張りあり。さおぶちてんじょう/竿縁天井
板を一方向に張りそれに直角に細木を並べてある天井をいう。これ普通の天井なり。平縁天井よりは上等にして猿頬天井よりは劣る。さおほぞ/竿
細長きをいう。「さおひきどっこ」を見よ。さおみち/竿道
竿継に於いて女木の方にある穴をいう。「さおつぎ」を見よ。さかきばしらはふきつ/逆木柱は不吉
〜 倒木柱と木筆(すみさし)を捨ておくは家の不吉とすること、造宅経に出ず、彼云、〜 俗に逆木の柱は屋鳴の怪ありといえり。さかさいんろう/倒印籠
器具の蓋の作り方にして図の如きもの。さかさばしら/逆さ柱
香川県の金刀比羅宮 賢木門(さかきもん)は、 讃岐国(さぬきのくに)の英雄長曾我部元親(ちょうそかべもとちか)が金刀比羅宮を本拠としたとき、 神罰を恐れて建築したものですが、工事を急いだので逆さ柱を使いました。 それ以来、こじつけで逆木門と呼ばれています(昭和9年の時点)。『晃山實記』によると、日光の陽明門にも、やはり1本逆さ柱を使ってあり、柱十二本として、内「一本逆さ柱と曰ふ」と割書にしてあります。 この二つの言い伝えをたねとして、逆さ柱は不吉だなぞという俗信が起こったということも考えられます。
逆さ柱は怪談の材料で、それが使ってある家には怪異があったり、逆さ柱のある部屋で寝ればうなされると信じて、そういう 曰く付きの室には足を踏み入れることもお断りと怖じ気をふるう人もありました。
古き工匠の説によれば、「世に逆木柱を用いたる家は鳴動すと言い習わす」とあり、 あえて逆さ柱を新築に使うことはないのですが、古材を再利用して建て直しを行う場合は、安部晴明の判(五芒星形・ペンタグラム)を 逆さ柱に書いて(災いを避ける)用いる方法があります。
一方で、逆木(さかき)を、賢木(さかき)榊(さかき)に、事態が好転するようにうまくとりはからうこともあるようです。 ある大工の棟梁の話によれば、新たに建築する場合でも、長い木材になると人の眼に触れる場所には出したくない瑕があるので、 それを解決するために、逆木にします。一方から見ただけでは、それが逆木かどうか滅多に気がつきませんとのこと。
仮に逆さ柱を不吉なものでないものとすれば、わざわざ不備未完成の状態にしておくのは、易理に属する意味があるようにも思われますが、 無駄な出費を抑えるための昔からの習慣とも思えるため、何かもっと外の方面からの説明がつきそうなものだと思っています。
出典 国立国会図書館デジタルコレクション 長尾豊著『伝説民話考』(昭和9年)を要約意訳しました。
ちなみに、樹木は下から上に成長していくため、年輪は円錐形に近くなります。 タケノコを縦に切ったような模様になるわけですが、この模様だけでは元口と末口がわからない場合もあるので、 伐採して製材する前に印を付けておくことが確実です。
また、カンナがけは、「木表は末口から元口へ、木裏は元口から末口へ」となります。 木材の繊維に逆らわないようなカンナがけをすると、表面を滑らかに美しく仕上げることができます。
さかさせりもち/逆せり持ち
出入口などとは反対の下方に逆様に設けたせり持ち。ざがしらける/座が白ける
一座の興をさますこと。さかたうたきち (ふじわらあききよ? ふじわらけんせい?) よせがしゅう / 坂田歌吉 (藤原顕精) 寄画集
小池佐太郎の書付によれば、〜 父 坂田歌吉 藤原顕精 此の名前は大隅邸建築の際 鶴見の辻徳様の推薦に依り 上京工事後 事の時候から頂く 〜 とのことです。(ホームページの整理のため、ここに移転します 2016/12/24)
さかだこ/逆蛸
長い遣形杭などを打込む場合に杭頭上方にあるときこの種類の道具を用いることがある。その形は平蛸を倒さないようにしたものに異ならずその足は四本となすのを普通とする。二人にてこれを使用するなり。ざかね/座金物
「ざがね」を見よ。ざがね/座金
突出したる金物の根に付く金物をいう。さかばす/逆蓮
蓮花を倒れになしたる飾りをいう。図は勾欄の柱上部分にして便化したる逆蓮をしめす。さかめくぎ/逆目釘
とげ付きの釘をさかむけはかわやのとにてさんどたたけばなおる/逆剥けは厠の戸にて三度叩けば治る
俗説。さかもぎ/逆茂木
刺のある木で造った垣。(城郭建築)さがりくもあればひとがくる/下がり蜘蛛あれば人が来る
俗説。さかわかなもの/逆輪金物
器具に粧飾として用いる金物にしてその一端は図の如く二つに割れいるものなり。さきぼう/先棒
駕籠の先頭に立つ者をいうより、転じて人の手先に使わる者をいう。さく/柵
柵子の種類により丸太柵、角柵、石柵などの別あり。 古語では「マセ」と言った。時には生垣のことも指す。 「やらい」を見よ。さくいたべい/柵板塀
裏板張の柵をいう。柵子は一間に四本以上とする。さくらあめ/櫻雨
櫻花の時に降る雨をいう。さくらきるばか、うめきらぬばか/櫻伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿
梅は年々枝を払うをよしとし、櫻は之に反す。さくらづき/櫻月
三月の異名。花時をいう「櫻三月、菖蒲は五月」ざくろぐち/柘榴口
昔の銭湯の入口をいう。鏡を研くに柘榴を用いるより、鏡(屈み)入るとの謎なり。さくやらい/柵矢来
柵は即ち矢来なり。ざくろ/石榴
どこにでもある黄白色の緻密なる上等材で、多くは装飾器具に用いる。根皮は [糸?条] 蟲を駆る特効薬である。 花は紅にして美しく、実はさしわたし2寸5分ほどの偏円形で、熟するに従い自然に割れる。潤葉落葉の潅木。さけ/酒
ハレの日に神に供えた酒をひとつの杯から飲むことにより仲間意識を高め神との交歓をはかる。 酒盛りでは、まず相手に勧めることが最上のもてなしであり、酔いつぶれるまで飲むことが作法。さけはふるざけ、おんなはとしま/酒は古酒、女は年増
「女房と畳は新しいほどいい」とは反対の意味であろうか。さげかま/下げ鎌
柱へ貫を取付ける一方にして貫端を鳩尾形に作り柱の孔へ上方より差込たる上楔を上方に打込みて固める。さげとま/下苫
「とま」を見よ。さげなわ/下縄
土蔵の小舞に結付けたる縄にしてこれを壁土の中に塗り込み以ってこれを支持するために用いる。さげねこ/下猫
せり持ち仮枠とその支え柱との間に用いる楔のこと。ささぐり/笹繰り
肘木の斗がのらない部分の上角を、笹の葉に似せて取去る加工をすること。奈良時代の建築や禅宗様建築に見られるそうです。 No.292 画像と説明を見るささくれはおやふこう/ささくれは親不幸
指頭にササクレの出来るは、親不孝の徴なりという。ささらげた/簓桁
階段の段板を受ける登り桁をいう。ささらこしたみ/簓子下見
板を羽重に横に取り付けること。さしがね/指金
矩手七寸七分五厘、八寸長。長手一尺五寸七分五厘、一尺六寸長。さしがねなくてはせっちんもたたぬ/指金無くては雪隠も建たぬ
規矩によらずんば、小事も成らず。さしがもい/指鴨居
人見と同様な役目をなし角は鴨居の二倍位。さしくち/指口
一つの木の横面へ他の木の端を差し込むこと。ざしきへいほう/座敷兵法
机上の空論、実地に疎きをいう。ざしきにいぬをあげたよう/座敷に犬をあげたよう
「座敷にチンコロ」ともいう。所在なき様の喩。さしこ/指籠
木造の座敷牢のこと。差籠、指子とも書かれ、内折、内檻の表現もある。さしばり/指梁
端を柱などへ指し込む梁のこと。さしひじき/指肘木
柱へ差し込んだ肘木。さしもや/指母屋
破風板に差し込んだ母屋。さすだけ/さ着竹
茅屋根に用いる竹の垂木。させほせかさ、かべにたてなかさ、ひとにかすなかさ/させ乾せ傘、壁に立てな傘、人に貸すな傘
傘の保存法。ざっそう/雑草
人類の使用する土地に発生して人類に直接或いは間接に損害を与える所の植物を云う。さどう/茶道
ちゃどう。江戸時代に発明された名称。それ以前は茶会(ちゃえ)、茶事、茶儀などといい、茶湯の 正しい礼法、心構え、受け入れ方を修めることを茶道と称した。さどう/茶道
ちゃどう。本来の茶道(元々は「さどう」という呼び方であったが、混乱を招かぬように「ちゃどう」と 区別した「さどう」)、数奇道のこと。さどう/茶道
元々は僧侶の修行の一部であり(→ちゃ/茶 と かいせき/懐石など参照) 最初から厳しい作法が伴っていたという。まずは経を読み上げて仏に感謝する。 茶を飲むときは右手で茶碗を寄せ、右の三本の指で挟んで取り、左手を添えて両手で 抱える。この時、茶碗の模様がきたら左に回し避けて飲む。 この作法はそのまま茶道のマナーへと発展し定着し、現在ではこの頃の作法を 基本としたお手前(手順)という形で浸透しているのだという。侘茶を完成させた 千利休が登場し茶道は流派に別れてゆくが、すべての作法の起源はここにあるという。さどう/茶頭
千利休時代、茶湯に通じ茶事を司る同朋の頭のこと。同朋でないものは 茶坊主、茶同胞、貴人の相手をすものを御茶頭と呼び、禅院では「ちゃじゅう」。さどうぐち/茶道口
茶室の出入口のことで通常は亭主口という。その形状などによって、勝手口、 茶立口(ちゃたてぐち)、給仕口(きゅうじぐち)、禿口(かむろぐち)、瓦灯口(かとうぐち)、 方立口(ほたてぐち)などがある。ざとうがばいりんをとおるよう/座頭が梅林を通るよう
探り探りたどる形容。ざとうぎょうぎ/座頭行儀
もてなしの菓子肴などを包みて、家に持ち帰ることをいう。さね/實
傍を溝に嵌めること。さねづくり/實造
雨戸の出合框を實矧の如くになしたる場合にいう。さねはぎ/實矧
板を接ぐ仕方の一つなり。板傍の一方には溝を穿ち他方の傍にはそれに相応する突起を造出して接合するものなり。その突起を實という。さねばしら/實柱
「肘柱」ともいう。土蔵入口の扉を取付けるために設けたる柱にして本柱よりは前方に突出し櫓貫を以って本柱に連結され上方には兜桁を架しあり。さねひじき/実肘木・實肘木
【組物】三つ斗の上にのせて桁を受ける場合の肘木。端部には彫刻をほどこす。→通肘木さばじり/鯖尻
虹梁の柱に取り付く所の上方の繰り方をいう。さばにする/サバにする
例えば、錺金具の形を職人に指定するとき、 「サバにしてくれ」の様に使う。さばのお/鯖の尾
端の開き居る形をいう。さびたけ/錆竹
丸竹にゴマをふりかけたようにできたもの。和室天井材の竿縁などに使われる。さびにくさらせんよりとでもへらせ/錆に腐らせんより砥でも減らせ
物事を放置して、不要に諦せしむるを戒める諺。さぶろく/三六
ベニヤの定格寸法。3尺×6尺(910×1820ミリ)さへいじ/左平次
口をいう。又、差出ていらぬ世話をする者をいう。さやがた/紗綾形
定型パターンを繰り返すことで作られる文様のひとつ。左上画像の彫刻に用いられている文様などのことです。
そもそも「卍」という漢字は、仏像の胸に刻まれた「卍」という「吉祥万徳」が集るという記号であり、この卍の端を長く伸ばして連鎖させて図様にした「卍錦文」は、不祝儀の定番などではなく、卍が途切れることなく続くことを意味した「不断長久」の吉祥なのだそうです。
卍の連鎖文様は中国の絹織物、紗綾の地文様にさかんに用いられたために、日本では紗綾形文(さやがた)とも呼ばれるようになったとのこと。
さやがた/紗綾形
「さあやがた」の略称にして卍字を種々に連ねたる模様なり。さま/狭間
城壁又は櫓などに設けてある孔又は窓にして昔はそれより矢を放ちたるゆえこれを矢狭間といった。鉄砲の発明以来それより発砲したるゆえこれを銃眼とも称す。また目的により、石狭間、矢狭間、鉄砲狭間、隠狭間などの名称あり。さむろいどのぱずる/サム・ロイドのパズル
数学パズル作家 Samuel Loyd の作品のひとつ。フィボナッチ数の任意の平方は、その両隣の項の積と1だけ異なる性質がある。 8の平方(8^2=64)は、両隣のフィボナッチ数の積は(13×5=65)。
面積1は、太い線に隠れた細長い平行四辺形の隙間に等しい。
さやぐみ/鞘組
土蔵屋根の土居塗の上に猫石を据えその上に合掌を組み手更に屋根を葺くことあり。右外方なる屋根の合掌組みを称す。さやどう/鞘堂
堂外に更に蔽いとして造りたる堂をいう。さやのま/鞘の間
鞘堂と本堂との間の所にして拾いも入側のごとし。さやらんま/鞘欄間
縁側の鴨居上に設けたる欄間の一種にしてその竪組子は繁く横組子は疎にして僅かに上下に二筋中央に三筋程なるを普通とする。その構造ひゃ筬欄間に同じ。さらいた/皿板
戸袋の底板の如くある物を受けるために設けた板をいう。さらしやね/曝屋根
天井無き屋根をいう。「やねうら」というに同じ。さらと/皿斗
斗の下につけられる皿形の飾り、もしくは、その斗全体を指す。皿斗(さらと)または、捻り斗(ひねりと)
大斗の下につける皿板のことを皿斗と思っていましたが、皿斗の皿板は別板を添えたものではなく、斗といっしょに刻みだしたものをいうそうです。(法隆寺系建築にみられる) 写真のように別体で造られるようになったのは近世のことで、捻り斗と呼ぶそうです。 皿斗とは大斗の下に皿状の板が付いたものですが、皿状の別板を添えたものではなく、斗と一緒に皿状の形を刻み出したものを指すそうです。書籍の挿図にある皿板は、いかにも皿状であり、屋台に用いられている通称「皿斗」は、ザブトン状なので皿斗とは別のものだと思います。皿斗によく似た形式ですが、ザブトン状の板が添えられた斗は、近世になって現れたという「捻り斗(ひねりと)」が酷似しています。 一時は上記のように解釈しておりましたが、皿斗とは斗の下につけられる皿形の飾りの名称でもあり、時として、その斗全体を指す名称でもあるということのようです。
さる/猿
(彫刻)山王神の神使と(あがめられ(御所鬼門のご幣猿))され、馬の守り神ともされた。猿は馬の病気を直すとも信じられていた。彫刻の猿の尾は短く、ほとんどが樹上で果物を喰う姿。三猿をはじめとする神厩の八体の猿の彫刻は、人の一生を表す物語として知られているという。江戸時代に行われた庚申(こうしん)待ちにも青面(しょうめん)金剛とともに 猿の像も祭られた。 猿は、山の神の使い、あるいは山の神の変化したものと考えられています。 山王総本宮 日吉大社では猿が神の使いであり、「神猿(まさる)」といいます。「神猿」は「魔去る・勝る」に通じ、魔除け・必勝のご利益をいただけるものとして信仰されています。 猿は猟師の使う山言葉で「ヤマノヒト」「エビス」と呼ばれ、その肉を食べることは忌み嫌われたそうです。 猿の語源が「神の稲をつくる水田」という説もあることから、猿を水の神と関係の深い動物とした信仰もあるようです。 また、猿は厩神としても信仰され、「猿まわし」は厩を祈祷するために始まったものとも言われています。さるがしら/猿頭
板庇または板屋根の板上に所々取り付ける木。猿控の上方を柱に固着するためにもちいたる短い木をいう。
猿頭勾欄付板橋において地覆上一間ま程に散在する木片をいう。
さるがしらこうらん/猿頭勾欄
板橋に設けることある簡単なる低い縁木なり。さるぎ/猿木
木製の猿をいう。さるこ/猿子
「かりこ」を見よ。さるつなぎ/猿繋
古語なり。障泥止に同じ。さると/猿戸
庭園に用いることある質素なる門をいう。その両柱は皮付き丸太にして扉はずの如く横板を框及び桟に取付けて表面には押縁竹を打て作る。その竪桟及び押縁は上下に四寸程突出する。このような突出を「角柄」という。「見切にすれば板戸、垣にすれば猿戸」(茶道早合点)
さるにえま/猿に絵馬
猿と馬とをえがくこと多きよりいう。「梅に鶯」の類。「馬屋に猿」を検索。さるのきば/猿の牙
白き米をいう。さるのしょうべんきにかかる/猿の小便木にかかる
気にかかるという洒落。さるはさんのうのつかわしもの/猿は山王の使わし者
俗説。(山王信仰では猿を神使とする)さるばしご/猿梯子
普通の梯子をいう。踏子の両側に竹又は木を長く設けたるのみにて踏板及び蹴上げ板なきものなり。さるばみ/猿喰
木の病の一つにしてその皮の一部が内部に入り込みたるもの。さるびかえ/猿控
控柱の上方が本柱に接して猿と称する木片を差して込栓にて固め又下方には貫を設けて固めある控えをいう。さるぼうてんじょう/猿棒天井
竿縁を大面に取って造る天井。さるぼうぶち/猿頬縁
猿頬面を付けた天井竿縁及び廻り縁をいう。さるぼうてんじょう/猿頬天井
竿縁天井の一つにしてその竿には縁頬面が付いているもの。竿縁天井よりは上等なり。さるぼうめん/猿頬面
面の一つなり。その形は図の如く四十五度より少し急峻なる勾配を以って作りたるものなり。この種の面は竿縁又は硝子障子などの桟に用いられることあり。さるみみ/猿耳
厩の腹掛桁の上に角の如くに二本突出したるものをいう。之を「八木」とも称す。これ馬の腹帯を掛けるのに便利なるもの。さるめん/猿面
猿頬面の省略。さるものはひびにうとし/去る者は日々に疎し
〜 年月経ても露忘るゝにはあらねど、去る者は日々に疎し。[徒然草] 〜さよう/左様
然り、そのとおりの意。「さようなら」のさよう。位置とは無関係。元来は「然様」という漢字であったが、簡便化により左様が使われるようになった。ちなみに「右様御承知云々」のように用いられる「右様」(みぎよう)とは、新しい時代(江戸とか明治?)に作られた言葉であり、最初は、自分よりも右方にあるものを指す意味しか持たなかったが、 公文書などで「右様」=「右に述べた通り」の意味で採用され、一時は左様を排斥するほどの勢いを持っていた。さわら/椹
木曾五木の一つなり。さん/桟
雨戸または障子の中の横木を桟という。さんかくくぎ/三角釘
鱗釘、トタン釘、葉鋲、等の別名あり。さんがつ/三月
鼻をいう。盗賊語。さんからくさがわら/桟唐草瓦
桟瓦の軒先瓦。さんがわら/桟瓦
江戸中期に軽便と廉価を目的に考案された今日みられるような住宅の屋根瓦のこと。 寺院や豪商豪農に用いられた本瓦葺(ほんかわらぶき)は丸瓦(まるがわら・おがわら/男瓦・牡瓦)と平瓦(ひらがわら・めがわら/女瓦・牝瓦)を交互に仰伏せさせて葺く方式で飛鳥時代に大陸から伝えられた。さんきせき/三忌石
『夢窓流治庭』に示す石の用い方。 三忌とは貧石(石をひとつづつ離して据えるもの)、病石(石の頭を歪んで据えるもの)、 死石(立つべき石を横にし、横に伏すべき石を立てるもの)のこと。さんくずし/算崩
図の如く三線を交互に並列して作りたる模様をいう。さんけい/三景
安芸宮島、丹後天の橋立、睦前松島。さんげんしゃづくり/三間社造り
正面の間が3つで、正面の柱が3本の造り。さんごくいち/三國一
三國は日本、支那、天竺をいう。さんごのじゅうはち/三五の十八
見積りの違えるをいう。さんた
犬の前足をあげて立つをいう。さんし/三子
武野紹鴎、村田珠光、千利休。三茶人のこと。さんしこ/三四五
勾殳玄を三四五の割合にして直角を作りたる故にそれよりして大矩を三四五とも称す。さんじゃくさがってさるねぶり/三尺下がって猿眠り
飯を炊く法。さんじゃづくり/三社造り
三間社のなかに三つの神体を祭る神社のこと。さんじゅうおれくぎ/三重折釘
二重折釘よりは曲りの一つ多いもの。さんじゅうこや/三重小屋
小屋梁、二重梁、三重梁と三段ある小屋組みをいう。さんしゅうつち/参州土
三河國より出る敲土。「たたきつち」を見よ。さんしょうかしらびょう/山椒頭鋲
次に同じ。さんしょうびょう/山椒鋲
戸袋などの板を張るときに用いる小鋲のこと。さんじん/三神
天地開闢のはじめに現れた神は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ) ・高御産巣日神(たかむすびのかみ)・神産巣日神(かみむすびのかみ)である。(古事記)出典 国立国会図書館デシタルコレクション 中島悦次著『伝説の誕生』・ 神話・伝説・民話に現れる数