くいうちきかい/杭打機械
杭を打つためにもちいる機械。くいうちちぎょう/杭打地形
杭を打って固める基礎。くいがしら/杭頭
杭の上方をいう。くいさき/杭先
杭の下方をいう。ぐうすうきすう/偶数奇数
〜 日本では一三五など奇数を好み、偶数を忌む。殊に四は死に通じて非常に嫌うのであるが、支那人は二、四、六など 偶数が大好きである。人に物を贈る場合は必ず偶数を贈らなければならない。又金を贈るにしても、一元のときは 仕方がないが、其れ以上奮発して贈ろうと思う時には必ず二元、四元、六元など偶数を贈らなければならない。 甚だしいのは『喜』の字も一字では目出度くないと言うので喜の字を並べて書く。[画像上]の字であって、支那人は 之を双喜と呼んでいる。日本でも碗の模様などに時々之を見受けるが、実際は何と読むか辞典にも載っていない。 それかと言って模様でもないし困った文字である。〜国立国会図書館デジタルコレクション 佐賀県立伊万里商業学校『知って置く可き支那人の人情風俗』より。
(画像上は読めない漢字、画像下は双喜紋・そうきもん)
ちなみに九は奇数であるけど、中国では最高位の数字として重んじられているそうです。 日本では九は、三を基調として、三々九度、三途の川・六道の辻・九品の浄土のように使われています。
くうちゅうろうかく/空中楼閣
根拠なき空想に喩う。空中楼閣を描くなどという。くうきぬき/空気抜
「かざぬき」に同じ。くぎかくし/釘隠
長押を貫いて柱へ釘を打つ場合に長押面に現れる釘頭を隠すために取付ける化粧金物をいう。くぎぼり/釘彫
釘を打つため長押の裏に彫たる穴をいう。柱に当たらない所に穴を彫り釘を打ち鴨居上に取り付ける。くぎがきかぬ/釘が利かぬ
十分に取り締まりがつかないこと。くぎのうらをかえす/釘のうらをかえす
板などに打った釘の先端を打ち返して抜けないようにすることを指し、物事に念を入れて確実を期する処置をいう。くぎのまがりはてっついでなおせ/釘の曲がりし鐵槌で直せ
悪習を矯正するに喩う。くぎをうっておく/釘を打っておく
物事のあとに移動しないように用心すること。くぐり/潜
扉又は戸に付けてある小さい口又はその戸をいう。「潜付雨戸」など。くぐりぐち/潜口
数奇屋の「にじりあがり」に同じ。くぐりもん/潜門
土塀、板塀、などを切り抜いてつくりたるが如くに見える門をいう。故に之を「切抜門」ともいう。くさつづき/草津月
八月の異名。くさのま/草の間
廐の一間にして秣を置くところ。くさばなさんねん/草花三年
生花を習うに、生花殊にむづかしく、三年の修行を要するとの意。くさぶき/草葺
茅葺や藁葺(の屋根)くさび/楔
断面三角形をなすものにて物の間に打込み抜けない様にするためにもちいるもの。くさびいし/轄石
迫持ちの中央にある石。釼石、要石、などの別名あり。くさわけ/草分
一村を創始せし家をいう。転じて汎く草創の事をいう。くしがた/櫛形
火燈をいう。現今の櫛の形をいもいう。くしがたせりもち/櫛形迫持
缺円迫持ちをもいう。すなわち半円に満たざる形のもの。くしがたべい/櫛形塀
櫛形付の塀をいう。くしがたまど/櫛形窓
曲線の集合よりなる窓をいう。即ち火燈の形を有する窓なり。くしがたらんま/櫛形欄間
缺円形の窓を有する欄間。くじりまゆ/抉眉
「かきまゆ」の一例。「出入眉」ともいう。くじをきる/九字を切る
六甲秘呪として臨兵闘者皆陣列在前行の九字を 誦する時は、禍を避け、妖を除くという。もと道家より起りて密家にも用いられる。 / 類似に「くじはきってもじゅうじはきれぬ/九字は切っても十字は切れぬ」くすのき/クスノキ
現存する飛鳥時代の木彫仏はすべてスクノキの一木作りだという。 その理由は→白檀の項で。伎額面もクスノキで彫られているらしい。
楠は軟らかく彫刻が容易であり、ニッキようなの匂いがする。仏檀の彫刻材として多く用いられている。 楠材を用いた屋台彫刻も存在するが、仏檀を連想するので避けられることが普通で、一般的には桧や欅材が用いられる。
くすのきぶんげんうめきのぶんげん/楠木分限梅木分限
楠分限は漸次に繁殖する根堅き富者をいい、梅の木分限は、梅のずはえの如く、一時に身代をのばすことをいう。くすりがけ/薬掛
袖薬を土管、煉瓦、瓦等に施してその表面を硝子性となしたるものをいう。薬掛土管など。くすりのひ/薬の日
昔五月五日に薬草を積む風習ありしより此日を薬の日といい、其事を薬狩りといった。くだ/管
建登にあらざる柱にいう。くだきあり/砕蟻
「よせあり」に同じ。くだばしら/管柱
通し柱でない短い柱のこと。くだりげぎょ/降懸魚
破風の拝下に設けた懸魚を本懸魚といい、脇にあるものを降懸魚という。またこれを脇懸魚、桁隠、桁隠懸魚、桁裏振板などという。くだりむね/降り棟
屋根勾配の隅木に沿って降りる棟をいう。くちたるきは、はしらとするべからず/朽ちたる木は、柱とするべからず
[漢書]くちぎがた/朽木形
朽木に模したる模様。くちぎばし/朽木橋
朽木形をなせる板を庭園の池などに渡して橋とするもの。くちきり/口切
始めて茶壷の口の封を切りて茶会を催すをいう。其角、口切や汝を呼ぶは金の事。くちわき/口脇
軒桁、隅木、その他総て小返り付の木の横面をいう。くついし/沓石
葛石(かつらいし)のこと。くつがた/沓形
大棟の端に取付けた飾り。くつずり/沓摺
出入り口の下方なる板をいう。その上端は床上端より少し上にあり戸当たりを設けてある。くつずりわく/沓摺枠
「くつずり」に同じ。くつぬぎ/沓脱
縁などの高い場合に昇降し易いように据え付けた石をいう。玄関または縁側などに置くのを普通とする。くつまき/沓巻
柱下の化粧金物。図を見よ。くつわかけ/轡掛
「うまや」を見よ。くね
「かきね」に同じ。くねんめんべき/九年面壁
壁に面し、心を潜めて悟を求めること九年の長きに至りしをいう。 [伝燈録] 〜 達磨祖 師 至 小林寺 面壁九年、始悟而成 佛。〜くびきり/頸切
根巻石を柱に取付けるため柱を少し缺くものとする。くびになる/首になる
解職させられること。もとは芝居路の語なり。くみいり/組入
格間に格子を設けたる天井をいう。くみがき/組垣
網代垣などの様に組んで造る垣の総称。くみきっこう/組亀甲
亀甲を組合わせて作る模様。くみごうらん/組高欄
@斗束(ますづか)Aたたら束(木へんに而)
B架木(ほこぎ)
C平桁(ひらげた)
D地覆(じふく)
E込たたら(こみたたら) 嫁束(よめづか)ともいう。平桁・地覆間にもうけるたたら束
くみこ/組子
下側から見たところです。
くみこうし/組格子
格子と同じ。くみて/組手
合掌、桁の隅、など総て組合わせた部分を言う。くみてんじょう/組天井
細かく格子形にした天井をいう。くみばらしのできるやたい/組ばらしのできる屋台
祭りを観るだけの人にとって、屋台は見た目の存在感がすべてです。 でも、祭りを伝えていく人にとって、屋台は祭りのためのツールであるとともに、人の一生分ほどの長い時間を記録し、共有できるメディアです。 だから、いつまでも祭りで使えるように維持管理できること、直せること、そのために組みばらしの出来る屋台でなければいけないと考えます。くみもの/組物
柱上にあって、桁あるいは丸桁に懸かる屋根の荷重を支える装置。組方や尾垂木、拳鼻などがつくことによってさまざまな形式がある。 軒を壁面から外に出そうとすると垂木をよほど太くしない限り無理であるし、垂木を太くすれば自重を支えきれずに折れてしまい、限界があろう。そこで柱から水平に腕木(肘木)を出しその上に桝を載せ、これを繰り返していくつもの部材をせり出させ、その先端で垂木を支えるという仕組み、すなわち「組み合わせて軒を支える部材→組み物」という。華麗にして賑やかな演出でもある。
欅材
くみわちがい/組輪違
図の如く輪を組み合わせて作りたる模様。くも/雲
二階建て住宅の間取りを考えるとき、仏壇の直上の二階は押し入れにするなど人が足を踏み入れない空間にしておくが、 それが困難な場合、仏壇上の天井に「雲」などと書いた紙を貼っておく習俗がある。 神棚にあっても同様であり、神霊に対しての配慮である。くもいた/雲板
織部床に於いて廻し縁下に横に渡した化粧板(織部板)。くもがっしょうひれ/雲合掌鰭
雲模様よりなる合掌鰭をいう。くもしょうじ/雲障子
縁側の雨戸の上にある欄間障子のこと。内法材と軒桁との間に立てられた障子のこと。くもと/雲斗
「うんと」ともいう。肘木の上に置いて桁等を受けるためのもの。くもでごうし/雲手格子
「きつれこうし」に同じ。くもひじき/雲肘木
本来の「雲肘木」は飛鳥時代の寺に見られる特有の部材(柱上の簡素な組物)のことで、法 隆寺では、一本の木をくり抜いて造られた 20cm×60cm ほどの雲状の組物が用いられてい る。しかし、よほど大きな木がないと造ることができないため、後世になり大きな木材が 容易に入手できなくなると、小さな部材の組み合わせによる「三手先」などの組物が作ら れるようになったという。図は、明治時代に出版された大工の木割書などに記載されている雲肘木。屋台の雲肘木のこと。雲の連想から実肘木(さねひじき の別名。斗ぎょうの最高部にある肘木。画像は製作途中のもの。
くもにかけはし/雲に梯
及ばぬ望みをいう。くものつづみ/雲の鼓
雷をいう。秘中妙に見ゆ。くら/蔵
物を貯え置くところ。くらぬき/蔵貫
広島近傍にて松の大貫を称す。くり/剞
えぐれた部分をいう。俗に「繰」字を用いる。くり/栗
その材は水に強く、土台、杭、等に適すもの。くりむしのよう/栗蟲のよう
肥満したるをいう。くり/庫裏
寺の厨房をいう。ぐり/屈輪
図の如き模様。「ぐりぐり」とも称す。くりあげどっこ/繰上独鈷
既に固定してある柱などへの方立等を後より矧付けるときに用いる独鈷をいう。くりいし/栗石
小石をいう。栗程の大きさの石とをいう意味。くりがた/繰形
虹梁や木鼻等の端部を曲線に組み合わせた形に造ること。(禅宗様ないし大仏様の意匠が変化。中世末期〜近世に多用される。流行や工具によって彫りの深さ等も変化。=絵様)ぐりすちゅうにゅう/グリス注入
中土台から車軸を抜き取り、車輪を持ち上げ車軸受けのグリス溜りに適量塗布するようにします。
くりだしほぞ/繰り出し
ほぞを別の木で造り、繰り出るようにしたもの。くりど/繰戸
戸袋から順次繰り出す雨戸のこと。くりや/厨
料理をする所。安房にては「たなづ」という。グリーン材
製材品のうち未乾燥材(生材)のこと。本来は北米からの輸入材について呼ばれていたもの だが国産品についても呼ばれる。 乾燥による収縮とそれに伴う狂いと割れは木造建築のトラブルの原因になりやすい。 AD材=天然乾燥材、KD材=2×4用の人口乾燥材で含水率は19%以下、JASによる乾燥材には含水率に応じてD15=含水率15%以下、D20=含水率20%以下がある。くりん/九輪
請花より以上の部分を九輪という。くるい/狂
正しき形を失うことをいう。くるしいときにはおやをだせ/苦しい時には親を出せ
親の病気などを、口実とする場合をいう。くるしいときのかみだのみ/苦しい時の神頼み
切ない時の神叩きともいう。くるま
板車の樹種はカシ材です。日光からの保護のためトノコが塗ってあります。黒い鉄製のカバーが、なぜこの大きさなのかと申しますと、鉄板を小さくすると板車にボルトを貫通させなければならず、車輪が痛みやすいからです。くるま/車
自転車のスポークにあたる部分をゴコウと呼んでいます。車輪