め/目
石積みの場合、石と石が接合するときの接線。これから目地が生じた。石以外の場合(芝の目とか)でもいう。めいさいしょ/明細書
内訳書、仕訳書、などの別名あり。材料及び工手間を精細に記載したるもの。めい/茗
茶は摘む時期によって、早く摘んだものが「茶」、晩く摘んだものが「茗」という。が、一般には茶の別名ということになっている。 静岡には「竹茗堂」という古くて有名なお茶屋さんがある。めいた/目板
板の継目の所に打ち付ける幅の狭い板をいう。めいたがわら/目板瓦
塀などに用いる瓦にして図の如き形のもの。めいたはめ/目板羽目
目板付の羽目をいう。めいと/目糸
畳の長さに沿って用いる糸にして、それにより畳表の目はできるものなり。畳の長さに沿って畳床に用いる糸は数糸なり。めいすい/名水
古来名水というものが各地にあり、茶を立てるのに用いられた。めいぼく/名木
その地方にあって、珍奇木、巨木、神木、老木、奇形木、伝説木のことをいう。めいぼく/銘木
銘木屋で扱っている貴重で高価で美しい建築用材。めおとまど/夫婦窓
「れんそうまど」を見よ。めかくしへい/目隠塀
観望を防ぐために設けたる塀をいう。昔の立蔀及び切蔭などもまた目隠し塀の類なり。「見隠塀」ともいう。めかすがい/目鎹
幅広い方には釘穴があり、狭い方には爪がある。これを釣らんと欲する木に差込むなり。床の間の落掛などは目鎹にて釣ることあり。めかすがいづり/目鎹釣
目鎹にて保持せしめること。めかすがいぼり/目鎹彫
目鎹を打付けるため落掛又はその他釣らんとする木に穴をほることをいう。めがねいし/眼鏡石
「つばいし」をみよ。めがわら/牝瓦
凹面を上方に向けて葺きたる瓦をいう。本瓦葺における平瓦はすなわち牝瓦の一例。めぎ/女木
「おぎ」を見よ。めくらかべ/盲壁
窓無しの壁をいう。めくらしきい/盲目敷居
「むめしきい」に同じ。めくらまど/盲窓
外見あたかも窓の如くに見え面もガラス障子の代わりに煉瓦等にて充填してあるものなり。めくらめじ/盲目地
石の合口が密接しえる場合にいう。「眠目地」ともいう。めげがわら/片瓦
瓦の破片をいう。竃又は土塀などの心に用いることあり。めざらがね/目皿鐵
排水口の上に設けたる有穴の鐵蓋。めじ/目地
煉瓦又は石などの接際をいう。盲目地、合せ目地、化粧目地、重ね目地、竪目地、横目地、眠目地等。めしあわせ/召し合わせ
建具の竪框と竪框が重なり合う、または突きつけになる状態のこと。手法としては竪框を 戸の厚みより増しをつけてL字方にして隙間を防ぐものと、室町時代で消滅したという柱間中間に鴨居から敷居にかけて中方立をたてて隙間を防ぐものがある。めしあわせかまち/召合框
二枚開の扉又は引分戸などの場合に両方の框の相接するものをいう。めしあわせぶち/召合縁
引分襖において両方の襖の接触する縁をいう。めすきど/目透戸
貫を相離し打ちて作りたる扉。仮木戸などにあり。めせきがき/目関垣
竹穂垣又は葉房垣ともいう。若竹を穂付のまま密接に立て並べて作りたるものなり。隙間無き故に目関垣の称あり。めちがい/目違い
木と木の継目が凸凹であること。めちがいつぎ/目違継
総て目違いの付しある継手をいう。箱目違継、両目違継、三方箱目違継、などあり。めちがいほぞ/目違い
木鼻の矩の手形のほぞをいう。めつけばしら/目付柱
能舞台の四本柱の一つにして向って左の前の柱なり。めつぶしじゃり/目潰砂利
割栗地形においてその空隙を充填するための砂利。めどう/馬道
屋根下の土間廊下をいう。またそれに直角に板を渡したる部分を「切馬道」という。長い建物の中間にある通路のこと。めとおり/目通
立樹の太さを表す語。人が立ちてその眼の高さにおける太さをいう。めでたし/芽出度・目出度
愛でいたしの義。(愛甚しの義)。「めたし」とも云う。 @愛づべくあり。愛らし。賞すべし。可愛。A盛に麗しい。うつくしい。結構なり。 〜 いと目出度き御住い 〜 偉麗。B祝うべし。よろこぶべし。可慶。可賀。めなしど/青砥
荒砥の次に用いる砥石にして青石なり。めねじ/女螺旋
「ナット」の意に用いる。めねじどめ/女螺旋止
「ナット」にて固めることをいう。めばり/女梁
「めうつばり」に同じ。めもり/目盛
矩計又は竪遣形等に煉瓦目地などを盛りつけること。めもりやりかた/目盛遣方
「たてやりかた」に同じ。めりけんこ/米利堅粉
アメリカ合衆国より輸入する小麦の粉。めん/面
柱など部材の角を削り取った面形のこと。 十面取りとは柱の見付けがもとの9/10になるように面取りすること。めんうち/面内
他の木を面内側に取り付けること。木の大きさを示すために用いる語なり。例えば「小柱の大きさは本柱の面打ちなり」とは本柱の面を除きたる部分の大きさに小柱をなすとの意なり。